脳の世紀シンポジウム講演収録集11(本)

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コラム
 本のタイトルは、「脳を知る・創る・守る・育む11」(「脳の世紀」推進会議編  伊藤正男、佐々木閑、伊佐正、西條辰義、貫名信行、櫻井芳雄、津本忠治)です。編集:「脳の世紀」推進会議、発行者:松田國博、発行所:株式会社クバプロ、発行日:平成21年6月10日、定価1200円+税。
 それでは、脳の世紀シンポジウム講演収録集11について簡単に紹介いたします。
 講演収録集11は、「脳の世紀」推進会議の主催により開催された第16回「脳の世紀」シンポジウムでの講演を収録したものです。第16回シンポジウムは2008年9月4日に、東京の有楽町・朝日ホールにて開催されました。
脳を知る・創る・守る・育む 11の目次
開会挨拶   NPO法人脳の世紀推進会議理事長       伊藤 正男
Ⅰ章 特別講演
 脳の科学と仏教的世界観   花園大学文学部教授      佐々木 閑
釈迦時代の仏教と現代仏教/自己の精神を合理的に追究し改善する/釈迦が要求する修行/
仏教を「色即是空」で説明可能か/仏教と脳科学の対比/仏教は緻密な情報の集合体/
仏教の基本原理は「無我」/科学の人間化/「私」と「あなた」の否定へ/
サイエンスにおける日本人の優位性/脳科学と宗教/分析と統合のたゆまぬフィードバック/まとめ
Ⅱ章 脳を知る
 損傷脳の生存戦略  
 大学共同利用機関法人自然科学研究機構生理学研究所  教授 伊佐 正
損傷した脳機能は回復する/ブローダル教授の脳卒中後の自己観察/治癒症例の機能回復から学ぶ/
ヒトの問題をサルで解く/手の運動を支配する神経回路/サルの脊髄固有ニューロン系の機能検証/
損傷の回復過程と大脳の両側性の活性化/同側の一次運動野の活動と回復過程/
脊髄固有細胞系の間接経路の役割/モチベーションと機能回復/おわりに
Ⅲ章 脳を創る
 ニューロ・ソーシャルサイエンス:経済学の視点から
            大阪大学社会経済研究所教授    西條 辰義
十九世紀後半の経済学―限界革命(数理革命)/二十世紀前半の経済学/
経済学実験および心理学的経済学の登場/正統派経済学者の憂鬱/
アルティメイタム(最後通牒)ゲーム実験/
アルティメイタムゲームのニューロサイエンスの結果/背外側前頭皮質と感情/
経済学実験に対する正統派からの批判/囚人のジレンマ/ナッシュ均衡を生み出す脳活動は何か/
いじわる行動と協力行動を生み出す脳活動とは/脳科学への期待/私が望むこと
Ⅳ章 脳を守る
神経変性疾患の治療に向けたタンパク質の品質管理
 理研BSI病因遺伝子研究グループ・グループディレクター 構造神経病理研究チーム・チームリーダー 貫名 信行
神経変性疾患とは/異常なタンパク質蓄積が神経変性疾患を誘因/ハンチントン病とは/
ハンチントン病の遺伝子発見/ポリグルタミン病(CAGリピート病)とは/
神経変性疾患はタンパク質異常沈着を引き起こす/沈着物からその仕組みを解明/タンパク質の品質管理/
ポリグルタミン病の治療へ/介在分子を用いた疾患特異的治療へ/まとめ
Ⅴ章 脳を育む
 ブレイン-マシン・インタフェースでわかる高齢脳の力
          京都大学大学院文学研究科教授     櫻井 芳雄
見えないこころは見える/ブレイン-マシン・インタフェースとは/神経細胞の活動で腕の動きを予測/
人間への応用―極力非侵襲な方法をさぐる/脳波を利用したブレイン-マシン・インタフェース/
ブレイン-マシン・インタフェースで何を明らかにしたいのか/身体から脳を鍛える/
脳は身体にみあった活動をしている/身体をかえれば脳の力を引き出せるか/
脳の活動には体力ほどの年齢差はない/ブレイン-マシン・インタフェースの未来
閉会挨拶 理研BSI 津本 忠治
著者・司会者紹介

 各セッションの間に「質疑応答」が掲載されており、シンポジウムで出た質問の回答も読めるので、より理解を深めることができます。
 また、特別講演「脳の科学と仏教的世界観」の講師は佐々木閑氏です。私は知りませんでしたが、仏教の世界では著名の方のようでした。脳科学と宗教(仏教)という視点で話されていました。仏教と脳科学の対比は、興味深いものでした。
 他の脳を知る・創る・守る・育むの講演も、面白いです。
 講演集11を読んで、それぞれの先生方の最新の研究成果を調べると、脳研究がどこまで進捗しているかがわかるかも知れません。

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