パワポ作りのときに最初に意識すべきことは、その資料が使われる「場面」です。
パワーポイントというツールは便利でいろいろな資料を作ることができますが、本来の用途は大きなプロジェクターに投影して多くの人に見てもらうことでしょう。
ところが、実際にはその他にもいろいろな場面でパワーポイントが使われています。その場面は大きく、「講演」、「会議」、「提出」の3つになるのではないでしょうか。
1.「講演」の場でのパワーポイント資料
最初に「講演」での利用についてお話しします。これはパワーポイントの本来の用途なので分かりやすいと思います。
多くの聴衆を前にして前面の大型スクリーンに資料を投影することになります。ほとんどの場合、資料を印刷して配布することはありません。
この場合に大切なのは、「話を聞いてもらうこと」です。言い方を変えると、「資料を読んでもらうこと」ではありません。つまりパワーポイントの資料はあくまで講演の補助ツールであり、講演をより効果的にするために用意されるべきものです。
このときのパワーポイント作りで気を付けているのは、①読まれる文章は書かない、②文字は大きく、③写真、イラスト、図、グラフを使う、の3点です。
特に最初の「読まれる文書は書かない」ということに気を付けています。文章が書かれていると、人は無意識のうちにその文章を読んでしまうものです。そうすると意識は資料を読むことに向かってしまい、講演者の話が耳に入ってきにくくなります。また、文章を書くと文字数が多くなり投影された資料が見にくくもなります。
スクリーンに映った文章を淡々と読み上げる講演は、聞いていても退屈なものです。それだけでなく、その日の聴衆や進行状況によって話の内容を変えようと思っても、柔軟性がなくなってしまいます。
講演は本来「生もの」です。その日の聴衆によって話の内容や話し方は変わってくるものです。事前に用意される資料によって話が固定化されるのは避けたいものです。
ところが、ときには講演者に代わって資料を用意することがあると思います。その場合、講演者が話をしやすいように、資料には文章を書き込んでしまうことが多いと思います。でも、それでは投影されている文章を読み上げているだけの退屈な講演になるので、やはり文章を書くのは避けたいものです。講演者の話は別の資料で用意するのがよいでしょう。
そして当然ながら文字は会場後方からでも見やすい大きな文字である必要があります。最低32ポイントの文字、できれば40ポイントの文字を使うようにしています。
最後に、文章だけでなく写真やイラスト、図・グラフなどのビジュアルなものを多くすると資料の表現力が増し、聴衆も飽きません。
2.「会議」の場でのパワーポイント資料
さて、次に会社などでの会議でのパワーポイント資料作りの話です。
会議でパワーポイントを使う場合は、「投影」と「配布」の両方を念頭に置く必要があります。大会議であれば、スクリーンに投影することが多いでしょうが、数人レベルの小さな会議では参加者に資料を配布し、その資料を見てもらいながらの説明となることもあるでしょう。
スクリーンへの投影の場合でも、①資料として配布する、②プレゼンテーション終了後に資料を配布する、③資料配布はしない、という3つのケースが考えられます。そして、投影はせず、④配布資料のみで説明する、という4つ目のケースがあります。
スクリーンに投影する場合のパワポ作りについては「講演」の場合と同じように考えれば良いと思います。会議の場合で注意すべきは資料として「配布」する場合です。
資料を配布すると、受け取った人たちはこの資料のページをパラパラとめくり、自由に先を見てしまうものです。
本来は話の進み具合によってページを次に進めたいのですが、会議参加者のほとんどは資料の先を読んでしまいます。話しを聞いてもらいたくても、目と意識は資料に向かってしまうのです。資料を配布する場合はこの点に注意して話の構成を考える必要があります。
3.「提出」の場でのパワーポイント資料
最後に資料として提出する場合のパワーポイント作りについてです。この場合は資料を使って説明することがないので、読んでわかる資料にする必要があります。
自ずと文章での説明が多くなります。写真やイラストだけでは何を言いたいのか伝わることが難しいからです。話しで補うことはできないので、資料だけで完結した作りにすることが大切です。