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【フェミニズムにおける女性の視点の問題】宇都宮大学国際関係学部2014年

(1)問題 問題:「『女性の視点』への疑問」と題された以下の文章を読み、著者の「疑問」の内容を要約したうえで、それに対するあなたの考えをl000字以上1200字以内(改行による空白、句読点を含む)で述べなさい。 ① フェミニストを自負する人のなかに、「女性の視点」を力説する人が珍しくない。この視点の必要を説く人にもいくつかのタイプがあって、社会の主流派を構成する男性に欠落しがちな視点を批判する立場から、男性にはない女性の感性を重視したり、母性の尊重を訴えるものまで多様である。基本的には女性を差別される集団と理解し、その立場の人びとの自己王張を重視するが、発想の根底にはかなりの違いがあるようにみえる。 ② しかしどのような立場をとるにせよ、私は「女性の視点」を訴える発想に疑問を抱いている。女性には男性と異なる固有のものの見方があると思わせるからである。それではアンチ・フェミニストがいう「男性の視点」の存在をも認めなければならない。女性には理解できない男性の感性も存在することになる。あたかも生得的な特色――性のちがいが必然的に生み出す価値観や発想法があるかのような印象を与える。事実、そのように考える人はいたるところにいる。この考えは性、年齢、学歴、社会的地位に関係なく広く認められる。 ③ 私が賛意を表しかねる第一の理由は、「女性の視点」は公正であり、「男性の視点」は独善的であるとの意識がうかがえるからである。男の目と女の目はちがうと考えたがるからである。極端な例には、女の感性は清く美しく、男性の感性は権力志向だとの先入観があり、これが決してごく少数の意見ではない。事実、女は汚職をし
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【情報化の功罪】国際・外国語学部小論文の解法/第5回

(1)入試小論文で「情報化の功罪」は定番グローバリゼーションには国境を越えて、ヒト・モノ・カネや情報が行き来するボーダレス化が背景にあります。携帯、スマホ、パソコンなどのデバイス※によるインターネットの普及が情報化を加速しました。※デバイス:電子部品やパソコンの周辺機器、スマートフォンのような電子機器や端末を総称してデバイスと呼ぶ。情報化の進展には功罪(よい部分と悪い部分)があります。大学入試小論文では、国際・外国語学部だけでなく、多くの学部で情報化社会の可能性や課題を受験生に考えさせる問題が出題されています。今やスマホを持っていない高校生は極めて少ないのではないでしょうか。朝起きたら、スマホのメールを確認し、就寝しても寝床でスマホを操作するという人が多いのではないでしょうか。このような光景を目にするにつけ、情報化はみなさんにとっても身近な話題であるかと思います。「情報化の功罪」が出題された場合、まずは自分の体験から考えるのがよいでしょう。大学・学部の難易度や競争倍率にもよりますが、難関校や倍率の高い入試の場合、自分の体験に加えて社会的な事象も加えて考察し、さらにはこうした具体例を抽象化してまとめることが合格答案を書く上で必須となります。今回は、その技法を入試問題に即して解説してゆきたいと思います。(2)問題・「情報化がもたらす可能性と問題点」宇都宮大学国際学部国際文化前期2015年以下の文章を読んで、情報化がもたらす可能性と問題点を、あなた自身の経験を踏まえて1000字以上1200字以内(改行による空白、句読点を含む)で述べなさい。① サヴァンナに屹立(きつりつ)し、携帯電話
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【「日本人=集団主義」への懐疑】国際・外国語学部小論文の解法/第3回

(1)氾濫(はんらん)する日本人論 「日本人は『日本人論』が好きである」このような言説も、ひとつの「日本人論」を形作っている。上記の論を裏付けるように、出版業界では売り上げが伸び悩むと決まって新たな「日本人論」が登場し、ベストセラーとなって業界を盛り上げる。そこで、思いつくままに戦後に注目を集めた「日本人論」をいくつか紹介してみよう。①R.ベネディクト『菊と刀』 The Chrysanthemum and the Sword (1946)これは米軍が日本の占領政策を立案するにあたって、アメリカの文化人類学者 R.ベネディクトの提出した日本研究の報告書になる。ベネディクトは欧米を「罪の文化」に対して、日本を「恥の文化」として対置した。「恥の文化」とは、他者の内的感情やおもわくと自己の体面とを重視する行動様式によって特徴づけられる文化をいう。彼女はこの「恥の文化」に対立する文化として,内面的な罪意識を重視する行動様式としての「罪の文化」をあげ,後者が西欧文化の典型であるのに対し,前者を日本人特有の文化体系と考える。すなわち,日本人の行動様式は,恥をかかないとか,恥をかかせるとかいうように「恥」の道徳律が内面化されていて,この行動様式が日本人の文化を特色づけているとする。~ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「恥の文化」の解説より引用②中根千枝『タテ社会の人間関係:単一社会の理論』(講談社現代新書、1967年)日本人の集団への参加は、個人の「資格」よりもその置かれた「場」に基づいており、集団自体も、個人特質の共通性よりも枠の共有性によって構成される。各自の「資格」に応じて複数の集団に
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