「わかりません」「できません」と言いましょう
小学生に算数を教えていて思いました。もしかしたら、子どもにとって、「わかりません」というのが禁句なのかもしれない、ということです。そのお子さんは、決して「わかりません」と言わないのです。そのお子さんは「わかりません」と「言わない」のではなく、「言えない」のではないか、と思ったのです。私は発達障害です。「自閉症スペクトラム」と「注意欠如多動性」の診断がくだっています。あるとき医師から「『できません』と言ってはならない。『できません』と言うと、言われたほうは開き直っているように聞こえて、カチンと来るから」と言われました。内心、厳しいなあと思いました。しばらくたって、このアドバイスは聞かなくてよいことをだんだん理解しました。そもそも「障害者手帳」というものそのものが「私はできない人ですからどうぞ助けてください」と言っているようなものです。障害者から「できません」という言葉を奪ってはいけないのです。その医師は精神科医としては例外的に良心的な名医で、薬も診断書も抜群の腕を持っていますので頼っていますが、少なくとも人生観は合わないことを理解し、以来、人生相談みたいな内容の診察はスルーしています。
かくいう私も最近「できません」が言えなかったときがあります。私は障害特性で「インターネット検索が極端に苦手」です。私は「空気が読めない」ですが、どうも「検索」って、空気を読む要素が何かあると考えられます。ですから「わからないことは人に聞く」という作戦で乗り切っています。そんな調子で、わからないことを聞いていたら、ある人から言われました。「そんなに人に聞いてばかりいないで、少しは自分で調べなよ。ネッ
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