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読み切り超短編小説「その客人が来ると、父は機嫌が良かった」

その客人が家に来ると、父はいつも機嫌が良かった。 「慎太郎、お茶を入れてくれ」 「慎太郎、タバコ買ってきてくれ」 普段あまり父とは会話がなかったが、その客人が来たときはニコニコしながら私に用事を頼むことが多かった。  父の職場の周りの人たちはほとんどが中卒か高卒であった。父は高校中退してその職場に入った。学歴は全く関係なく実力さえあればのし上がれる職場だった。父はちょっと変わりもので、言いたいことを言う性格だったので、先輩からもお前なんかやめっちまえと言われることが多かった。  職場の人たちとはあまり付き合いがなく、友人も少なかったが唯一付き合いのあったのが父より3歳年上の客人だった。有名国立大学を卒業して、家柄もよく父とは少し住む世界が違うような気がしていたが、偶然父の仕事ぶりを見ることがあり、父の才能にほれ込んだらしい。  父もこの客人を尊敬しており普段は年上だろうがため口を使う父が、この客人に対してはぞんざいな言い回しの中にも敬意の念を抱くことが多かった。 父は重い病気でもう長くはなかった、それでも生来の仕事好きの父は体の動く限り職場に顔を出した。 父が仕事に手を付けた。 … 「耳が聞こえにくくなった患者が、病院に行きました。 『先生、最近耳が聞こえにくくて困っているんです、自分のオナラの音も聞こえないくらいで。』 『それはお困りですね、ではお薬を出しておきましょう。』 『耳が良く聞こえるようになる薬ですか?』 『いえ、オナラの音が大きくなるお薬です。』  爆笑  … 数年後 某テレビ番組の収録 中年の司会者が口を開いた。 「名前についてエピソードがあるらしいですね。」
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大スピリチュアリストだった故石原慎太郎氏

人気作家であり、大政治家だった石原慎太郎氏が惜しまれつつ亡くなりました。「太陽の季節」で芥川賞を取り映画も大ヒット、その後、国会議員となり、都知事にもなりました。稀代の風雲児であったことは誰もが認めるところでしょう。 彼は「死んだら虚無があるだけだ」などとテレビでは発言していますが、 エッセイなどを読んでみると立派なスピリチュアリストだったことがわかります。 若い頃、彼はスピード狂で、スポーツカーで第三京浜あたりを爆走していたそうです。 ある日、いつものように第三京浜を飛ばしていると、タクシーが追っかけてきて、「いい走りだねぇ。こんないい走りをする若い奴は見たことがないよ」などとタクシーの運転手は叫んできたそうです。 慎太郎氏は、その言葉を聞いたとき、 「あ、今の言葉は、亡き父がタクシー運転手の口を借りて発言したな。父親は、説教しても聞かない俺の性格を知っているから、逆におだてて俺の爆走を止めようとしているんだ」 そう、感じた慎太郎氏はその後、爆走はいっさいやめたそうです。 そして、あのまま爆走していたら、いずれ大事故を起こしていただろう、と述懐しています。 これは、どう考えても、強力な霊感のあるスピリチュアリストの発言ですね。 故石原慎太郎氏は作家らしく、本心をテレビでは明かさず、著作にすべてを託していたのです。
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