『怒り』との向き合い方~ ①:脳科学的な視点 ~
『怒り』とは、人類が地球上に現れた時から備わっている根源的な感情です。本来、『怒り』は命を脅かされる危機に立ち向かうため、身を守る行動を起こすエネルギー源となるものでした。ところが、人類の進化にともない、必要とされなくなってきています。現代に至っては「出してはいけない、抱いてはいけない負の感情」というようなネガティブなイメージが大きくなりました。それは『怒り』が「相手への脅威や攻撃性」に発展しやすい傾向があるからです。怒りは「争い」を生みます。しかし、相手に脅威を与えることなく怒りの原因を伝えることが出来れば問題は無いはずです。それでは、この『怒り』とどのように向き合い、コントロールすれば良いのでしょうか?『怒り』の本質を探り、①脳科学的な視点 ②心理学的な視点、③スピリチュアル的な視点 の3つの視点から解決策を紐解いてみましょう。①脳科学的な視点怒りの感情が生まれる仕組み『怒り』の感情は、脳内の”大脳辺縁系”というところで生まれます。サルやイヌ、猫、虫類のような下等動物にもある原始的な部分であり、怒り、不安、恐怖などの感情や本能を司っています。動物が命を脅かされる危機に直面すると、別名「闘うホルモン」とも呼ばれる”ノルアドレナリン”が分泌されて、神経を興奮させ、血圧や心拍数を上げて相手を攻撃する準備をします。その一方で、相手から反撃される可能性を予測し、不安や恐怖を司る”大脳辺縁系”の一部である「扁桃体」に反応が現れます。そして、”ノルアドレナリン”による興奮状態とともに、扁桃体の反応によって不安や恐怖を感じると、脳の反応が生み出す『怒っている』という状態になります。怒りをコ
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