あの時、助けた命と対峙して
3年前の夏頃だったでしょうか。ある晩、仲の良い友人宅でバーベキューのお誘いがあり、家族みんなでお邪魔することになりました。その頃は今の露明けのようにとても暑く、日中は立っているだけでも汗が出てくるような猛暑でしたが、夜はガラリと変わり涼しくて快適に過ごせていました。その日は田舎ということもあり虫の声が良く響き、人通りも少なく民家も離れているのでワイワイ騒ぐ事が出来てとても楽しいバーベキューになりました。ふと、友人宅の大きな掃き出し窓に目をやると、可愛い猫と目が合いました。名前はサクラ。キジトラ柄のキリっとした美形猫です。サクラはいつもこの周辺を散歩するのが日課らしく、日中は寝てばかりだけど夜は活発な好奇心旺盛猫ちゃんです。私はお酒が入っていて猫好きなせいか、みんなと離れていつの間にかその猫とじゃれあっていました。撫でるとゴロゴロと甘えてきてくれるので、こちらも調子に乗って抱っこもしてあげます。「サクラは可愛いね」そんな独り言をつぶやきながら見ていると、素朴な疑問が頭を過りました。「人以外にもできるのかな?」ふと思ったそんな好奇心から、サクラに意識を集中させていつものように先の未来を視ようと試みます。でも、案の定モクモクと不思議な靄がかかってうまくはいきません。動物は無理なんだね。やがてその日の楽しいひと時は終わり、私も含め友人達はみな解散、帰宅し、いつもは21時には寝るのにその夜は24時頃に寝ることになり、目はもう限界でした。気が付くと私は友人宅の長くて赤いソファに座っていて、前側にぐったりと横たわり、ぐったりとして倒れているサクラを見つけました。友人とその奥さんが涙をためなが
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