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草が彩るふたりのテーブル

「 最初、怖い人かと思ってた。でも優しい 」口元に運んだジョッキを止めたまま、美華が言った。エレベーターホールで初めて美華を見つけた日、とっさに声を掛け、彼女の店に入った。店の名前は聞いた事があった。むしろ2度入った事があるのだ。たぶん相当酔って1人で入ってるはずだ。常に紳士的であろうと努力をしているのだが、完璧とはいかない。このわずかな隙に失言をしていたのかもしれない。ショートヘアーのサバサバ系美人。圧倒的に美人。恐らく30前後であろうチーママが私に対して微妙に冷たいのだ。「それはね、結構肌で感じるね」と、美華に言う。「えーたぶんそんなことないと思いますぅ」彼女のそのふわっとした意見が正しかったことは後々わかる事になる。~~~メモリートークは和みの基本だ。過去、楽しかったことや頑張ってたことを話してるときの女性の顔は明るい。その時の親友の名前、流行ってた曲、飼ってたペットの話、部活、修学旅行先、明るい話題なら何だっていい。情景がフラッシュバックしてる彼女と同じ時を過ごすのだ。彼女の記憶に寄り添い、同じ体験をしてる感覚を味わう。一度聞いた親友の名前を突然出して、○○ちゃんが?みたいな問いをして驚かせる。話したことがしっかり共有されていると、グッと身近に感じるものだ。現在の話を避けるのにも理由がある。近況を掘り下げて聞かれるのは、女の子にとって若干の気持ち悪さもあるだろう。そういうのは、女性が話したければ勝手に話し出すので放っておいていい。私が聞く、彼女が答える、それを私が掘り下げる、彼女が話す、そういうループを設定できたらオートパイロットだ。話が尽きることはない。私達二人には元
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孤独と性欲 ~英国紳士のアイロニー

恋はいつでも刹那的である。次また彼女に会える保証はない。だからこそ、今この瞬間を噛みしめるのだ。若い時はそれこそ無限に時間があったし3日くらい寝なくても全然平気だった。空が白むまでクラブで踊り、大体いつも違う子と寝ていた。彼女がいても平気で他の子を抱いたし、沢山の嘘をついた。通り過ぎた多くの出会いをひとつひとつ思い出すなんて不可能だ。それでも、その時、その瞬間は、ちゃんと彼女らと向き合っていた。乱暴に若さをぶつけ、無責任に重なり合い、互いに擦り減っていた。いつも隣に女の子がいたはずなのに、いつも私は孤独だった。抱く事で満たされようとしていたし、実際、その瞬間だけは満ち足りた。心を埋める為に性欲の無駄遣いをしすぎたようだ。40を過ぎたあたりから、なお一層若い女性にモテるようになった。まるで英国紳士のように性欲の気配が消え去ったからだろうか。皮肉としかいいようのない、本当に趣味の悪い冗談だ。“ 歳をとったな ”屈託のない美華の笑顔を眺めながら、そんな事を考えていた。「生ビールとアイスビールお願いします」スタッフに告げる。さっきの送迎の男の子の話をしながら、それが来るのを待った。アイスビールは、ピルスナーではなくジョッキで差し出された。軽い違和感を同時に抱いた二人だがそれに言及することはない。むしろこれでいいと言わんばかりに目を合わせて納得の合図を交わす。ジョッキを鳴らし恒例儀式だ。 「こんばんわ!」「あっ、こんばんわ」「かんぱい」じゃないんだ、というような肩透かしを初っ端あびせ、主導権の所在を明確にしておく。いつも美味しい安定の生ビールだが、今夜は特別うまく感じる。間違いない、目の
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「やっちゃえ、ねえさん!」接待を伴う飲食店様のぼやきから

接待を伴う飲食店って? 接待を伴う飲食店というカテゴリができたのもつい最近のこと。 今一意味がよく分からないが、 正確には「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」が伴うお店のことのようだ。 私的には接待で使う店だと勘違いしていたかもしれない。 まさに大馬鹿野郎である。 余談はさておき先日、その接待を伴う飲食店のオーナー様とヒアリングをさせていただいた。 内容は言うまでもなくコロナ禍の影響による売上低迷。 この状況が続いてほぼ1年が経過しようとしているが更にひどくなったという。 一人ならともかく店のスタッフたちのことを考えるとなんとかしなければならない。同伴の強化やlineなどを使って呼び込みも強化したがもう限界。 オーナーの愚痴聞きと共に何かいい方法はないかとど素人の私に相談を持ちかけられた。「今野じゃないけどそこに案はあるんかぁ」 といわれ私なりに考えてみたがこの業界での打開案は非常に難しい。 通常の飲食店のようなテイクアウトには無理がある。オンラインスナックでカバーしているところもあるが収入はさほど見込めないだろう。朝から営業しモーニングやランチサービスをはじめたところもある。店の場所によっては有効かもしれない。常連さんの企業などでミーティングやテレワークで使用してもらうとか 近所なら弁当サービスで夜はお店へ誘導という手もある。 他にも方法はいくらでもあるが、通常の売上レベルに至るにはほど遠いものばかりである。そこで思いついたのは同伴。 別に一緒に飯食って店に連れ込まなくても一緒に酒飲んで回ればお客も納得するはずだ。 それなら酒抜きで昼間の時間も使える。 要
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