時を信じる歩み ― 亀の書架 🐢☪︎
欠けゆく月が、夜の奥に深さをつくる頃月は日に日に細くなり、夜空の光は少しずつ沈んでいきます。でも、不思議なことにこの時期の月には、満ちていた時には見えなかった“静かな力”が宿っているように思えました。あなたは兎の書架をあとにして、図書館の深い方へ歩いていきます。跳ねた気持ちの余韻が、まだ胸の中でゆっくり落ち着いていくようでした。その時、廊下の奥で 「…コト、…コト」 とゆっくりした足音が響きます。急がず、でも確実に前へ進む音。あなたは自然と、そちらへ向かいました。🐢 亀の書架 — 時間を抱える空間たどり着いた先は、図書館の中でもひときわ静けさの深い場所。棚には、木の年輪のような模様を持つ分厚い書物が整然と並んでいました。一冊一冊が呼吸をしているようで、近づくと、ほんのりあたたかいのです。ページを開く前から、「急がなくていいよ」と言われているような空気。その前に、ゆっくりと歩く亀が姿を現しました。月の欠けた光を甲羅に受けながら、あなたを見上げます。その瞳には、あせりも急かしもなく、ただ “あなたという時間” を尊重する静けさがありました。🌘 書架の本に宿るもの — “積み重なった気持ち”そっと開いた一冊の本には、鮮やかな言葉よりも、“ゆっくり重なっていった気持ちの層” が描かれていました。たとえば……・何度も迷いながら続けてきた決心・すぐに返ってこなくても、信じたまま置いてきた思い・一日では実らなかった優しさ・あなたが気づかないうちに深く根づいた気持ちすべてが派手ではなく、大きなジャンプでもなく、けれど確かに “生きてきた時間” の証でした。ゆっくり積み重ねたものだけが持つ、あの
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