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連続小説『DNA51影たちの黒十字』22

連続小説『DNA51影たちの黒十字』22連続小説『DNA51影たちの黒十字』第22回(続ロザリンド・フランクリン物語) 〜22〜Rosalind Franklin Photo51Rosalind Franklin Photo#51   23   ユダヤ人研究者 ロザリンドとポール・スミスが急接近したのには両者が共にユダヤ人であったことがひとつの要因であったのかもしれない。互いにユダヤ人ということから、価値観などに近いものを感じて自然と引き寄せ合ってしまったのであろうか。また、バークベック・カレッジにロザリンドを受け入れたジョン・バナール教授にしてもユダヤ人であったし、ロザリンドのバークベックでの研究室の同僚となった新たなる共同研究者アーロン・クルーグにしても、何と、またユダヤ人であった。 研究資金の提供等でパトロン的立場になっているポール・スミスが意図的にロザリンドの研究環境を密かに整えていったのであろうか?いずれにしても結果としてロザリンドの周囲にはユダヤ人たちが配置されることになっていたのである。ロザリンドにしてみれば価値観の近い人間たちに囲まれて、キングス・カレッジよりは幾分か心安らかにして研究に没頭できる環境であることは確かである。 情報漏洩の疑念をロザリンドにいだかせた“B型核酸結晶発見” 論文発表にまつわる不可解な経緯について、話す相手がポール・スミスであるのならば話せるような気がしてくるロザリンドであった。 バークベック・カレッジへの移籍がとんとん拍子で迅速に進んだことで、ポール・スミスへの信頼感がロザリンドの中では相当に高まっていくようであった。     ◇
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