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寿司屋の大将との別れ

私の職場の忘年会は100人以上の参加者で盛り上がりました。いつも、お決まりのような内容だったので、その年、ゲームの景品として珍しいものを探して欲しいと私に依頼がありました。その中に、私が馴染みにしている寿司屋の寿司折もあげられていました。その寿司屋の味は職場仲間にも評判が良かったのですが、誰もが大将を怖がっていました。私は、大将の握りをゲームの景品に使うことに対し失礼にあたると考えて、彼らの要求を拒んだのですが、何度も頭を下げられ、忘年会の当日、特上握りとしめ鯖だけのものとの2つの折を大将に作ってもらいました。でも、大将には忘年会で行うゲームの景品とは話せませんでした。 忘年会では、司会者から景品が寿司折と紹介され、参加者が優勝を目指して熱気に包まれました。やがて優勝者に寿司折が手渡されると、数名の女子が優勝者から寿司折を奪って食べ始めてしまい、寿司折は無残な姿になりました。私は、一気に酔いが冷め、会場を後にしました。 自分が犯した罪を償いたい。犯罪者のような気持ちになり、雪が降る道を静かに歩きました。 私は、1年間、寿司屋へ行かないことと、大将からの遊びの誘いは断ることを決意しました。それが、私への罰と設定したのです。後に、仲間から、そこまで気にすることではないと言われましたが、私は自分が許せませんでした。そして、酔っていたとはいえ、大将の寿司を無作法でむさぼる女子の姿が目に焼け付き、あんな行事には二度と協力しないと心に誓いました。 それから10か月程が経ったとき、大将が入院しているという話を耳にしました。 私は居ても立ってもいられなくなり、彼の見舞いに出掛けました。久しぶり
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