絞り込み条件を変更する
検索条件を絞り込む
有料ブログの投稿方法はこちら

すべてのカテゴリ

1 件中 1 - 1 件表示
カバー画像

実は気が弱い寿司屋の大将

30年程前に出会った寿司屋の大将は楽しい人でした。彼には、居酒屋やスナックに連れて行ってもらいました。大将は、どの店でも人気がありました。 今でも馴染みにしているバーのマスターとは、大将よりも古い付き合いです。大将は私の12歳年上で、マスターは私より3歳年上です。 あるとき、大将が私に「バーに行ってみたいけど、一人では行きづらいから連れて行って欲しい。」と言うので、その夜、寿司屋を閉めてから案内することになりました。 彼は、髪や身なりを整え始め、まるで誰かとデートに行くような身構えで、いつもの荒々しさが消えていました。寿司屋からバーまでは徒歩1分の距離で、あっという間にバーの前に着き、私が扉を開けようとすると「ちょと待て。」と言い、深呼吸を始めました。 私は、もしかするとマスターとの仲が悪いとか、過去に何か事件があったのかと想像しました。 面倒なことに巻き込まれたくないと感じつつ、店に入りました。 カウンターに座ると、マスターが大将に挨拶に来ました。大将は、この繁華街で知らない人がいないほどの有名人でした。挨拶を受けた大将は席を立って「よろしくお願いします。」と挨拶を返しましたが、とても緊張している様子でした。 大将はビールしか飲まないことを知っているので、私は大将にビールで良いかと尋ねると、「ビールなんて頼んで良いのか。」と言いました。私は、ビールとソルティードッグを注文し、タバコを吸おうとするとスタッフが灰皿を持ってきてくれました。大将は、そのスタッフにも席を立って「よろしくお願いします。」と言いました。そして、私が大将に話しかけると静かにするように促されました。 注文した
0
1 件中 1 - 1
有料ブログの投稿方法はこちら