プレイボーイに恋をした場合~「未知の女の手紙」
プレイボーイとはまったく昭和的な言い回しですね。最近の言い方だったら、チャラいとでもいうんでしょうか。だけど、プレイボーイとチャラ男の間には、何か明確な違いがあるような気がしますねぇ。
どっちも私は無理だし、向こうの方も私のような人間のことは無理で、お互いに永遠にかかわり合うことのない人種なのですが(笑)
前回に続き「未知の女の手紙」シュテファン・ツヴァイクの短編小説のお話です。
R氏はお金持ちで独身で、軽薄な遊び人。女をとっかえひっかえ、そしてすぐに旅に出てしまう。
根なし草で、自由人、無責任で刹那的。
都会の軽薄な薄情さを体現したような人物なのです。
人当たりはよく、だれにでも優しい。博愛主義者とは聞こえがいいが、実体は「誰のことも愛することができない」人間なのです。
都会では、そうでないと上手に生きていけません。
都会で楽しくやっている人たちは、どこか軽薄で、刹那的で根なし草。一つの場所やもの、人に執着しない気軽さがあります。
余計な荷物は持たない身軽さと、無責任さが同居したような人たち。
表面的なもの、流動的なもの、形のない空気、雰囲気に流されて、居場所をひょいひょいと変えていく人たち。形の定まらないスライムみたいな生き物。
昨日言っていたことなのに、今日になって臆面もなく逆のことを言いだしたりするような人たち。その矛盾に本人は気づく余裕もない。立ち止まらない、過去を振り返らないので、そんなことにすら気づかず、無意識に他人を傷つけていく 。その傷のことすら、気づかない。気づかない、無意識だから覚えてない。
時代の流れがこっちなら、こっち。あっちならあっちと流されていくだ
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