なぜ占いジプシーになるの?

なぜ占いジプシーになるの?

記事
コラム
「彼の気持ちを視てください」

昔、私が占いジプシーだった頃、何度も口にしていた言葉です。

何か特別なことを聞いていたわけではありません。

彼は私をどう思っているのか。

本当に、それだけ。

それなのに、一人の先生に聞いて終わりにはならなかったんですよね。

時間があれば電話をして、また別の先生にも聞く。

「彼の気持ちを視てください」

そして、言われたことに一喜一憂する。

今振り返ると、

私は一体、何をそんなに知りたかったんだろう。

と思います。

占いジプシーというと、

「自分の欲しい答えを言ってくれる先生が見つかるまで、何度も占う人」

というイメージを持つ方もいるかもしれません。

でも、私の場合は少し違いました。

「彼はあなたのことが大好きですよ」

そう言ってくれる先生を探していたわけではないんです。

だからといって、厳しいことを言われたいわけでもない。

ただ、彼の気持ちが知りたい。

聞いたら、その時は納得する。

なのに、また聞きたくなる。

ここが、自分でも不思議なんですよね。

どうして答えを聞いたのに、終われなかったんだろう。

今なら少し分かる気がします。

たとえば、

「彼にもちゃんと気持ちはありますよ」

と言われたとします。

その時は安心するんです。

「ああ、よかった」

と思う。

ところが、そのあと彼から連絡が来ない。

すると、さっきまであった安心が少しずつ崩れてくる。

「本当に好きなのかな」

「気持ちが変わったのかな」

「さっきの鑑定は何だったんだろう」

そんなことが気になり始めると、もう一度確認したくなる。

そして気づけば、また別の先生に電話している。

だから今思うと、私が欲しかったのは、彼の気持ちという「情報」だけではなかったのかもしれません。

簡単にいうと、安心したかったんですよね。

でも、その安心は長くは続かない。

なぜなら、電話を切ったあとには、また彼との現実が始まるからです。

連絡が来ない。

会えない。

思ったような言葉をもらえない。

関係がどうなるのか分からない。

その現実を前にすると、鑑定で得た安心がまた揺らいでしまう。

だから、もう一度聞きたくなる。

そう考えると、

「彼の気持ちを知りたい」

という言葉の中には、彼の気持ちだけではないものが入っていたのかもしれません。

この関係は大丈夫なのか。

私は愛されているのか。

このまま待っていていいのか。

いつか何か変わるのか。

彼の気持ちを聞くことで、本当はそういう不安まで何とかしたかったのかもしれません。

でも、彼の気持ちを一つ確認しても、そこまでは解決しない。

だから、また聞きたくなる。

今振り返ると、そんな循環の中にいたように思います。

では、私はどうやって占いジプシーをやめたのか。

これが不思議なことに、あまり覚えていないんです。

「もう占いはやめよう」

と強く決意した記憶もありません。

ただ、最後の頃の感覚は少し覚えています。

いろいろな先生に電話しているうちに、

「なんか違うな……」

と思うことが増えていったんです。

この先生が当たっていない、と決めつけたかったわけでもありません。

欲しい答えを言ってくれなかったからでもない。

でも、

「私が求めているものって、これなのかな」

という違和感が出てきた。

今になって考えると、あれが少しずつ離れていくきっかけだったのかもしれません。

そして、おもしろいことに。

あれから年月が経って、今度は私が鑑定する側になりました。

すると、かつて自分が何度も口にしていた言葉を、今度は相談者さんから聞くようになったんです。

「彼の気持ちを視てください」

この言葉を聞くたびに、昔の自分を思い出すわけではありません。

でも、鑑定を続けてきた今だからこそ、思うことがあります。

彼の気持ちが分かるだけでは、足りないことがある。

もちろん、彼の気持ちは視ます。

好きなのか。

離れたいのか。

迷っているのか。

連絡したいと思っているのか。

そこを知ることで、気持ちが落ち着くこともあります。

でも、もし何度聞いてもまた同じ不安に戻ってしまうなら、私はその先も見た方がいいと思っています。

たとえば、

彼には気持ちがある。

では、なぜ連絡しないのでしょう。

会いたい気持ちもある。

では、なぜ会うために動かないのでしょう。

別れたことを後悔している。

では、復縁するために何か行動しているのでしょうか。

こうやって見ていくと、

「彼は私を好き?」

だけを繰り返していた時には見えなかったものが出てくることがあります。

私の考えでいうと、気持ちと行動は分けて見た方がいいんです。

人は、好きだから必ず動くわけではありません。

気持ちはあっても、自分の生活を変えたくない人もいる。

責任を負いたくない人もいる。

失う怖さより、今のままでいる楽さを選ぶ人もいます。

だから、

「彼には気持ちがあります」

という答えが間違っていなくても、それだけでは二人の未来が見えてこないことがあるんですよね。

そして、もう一つあります。

彼のことだけを視ていると、見落としてしまうものがあります。

それが、

「私はなぜ、こんなに彼の気持ちを確認したくなっているんだろう」

という自分の側です。

私自身、占いジプシーだった頃は、そんなことまで考えていませんでした。

知りたいのは彼の気持ち。

だから彼の気持ちを聞く。

とても単純でした。

でも何度聞いても苦しさが戻ってくるなら、彼の中だけを探していても見つからない答えがあるのかもしれません。

だから私は、占いジプシーになっている人に、

「占いをやめた方がいいですよ」

とは言いたくないんです。

私自身、止めようと思っても止められなかった時期があるからです。

不安な時に、

「もう一度だけ聞きたい」

と思う気持ちも分かります。

同じことを聞いてしまったからといって、恥ずかしがる必要もありません。

ただ、もし今、

何度占ってもまた同じところへ戻ってしまっているのなら。

次に鑑定を受ける時は、

「彼は私を好きですか?」の、その先まで視てみてもいいのかもしれません。

彼に気持ちはあるのか。

その気持ちは、現実の行動につながっているのか。

彼自身に、この関係を動かそうとする意思はあるのか。

そして、自分はなぜこれほど彼の気持ちを確認したくなっているのか。

そこまで見えてくると、同じ「彼の気持ちを知る鑑定」でも、見える景色は少し変わってきます。

私の鑑定では、彼の気持ちを視ることはもちろん、

その気持ちが行動につながる状態なのか、二人の関係が実際にどう動いているのか

というところまで一緒に見ていきます。

「また同じことを聞いてしまう」

そんな状態でも大丈夫です。

何度も占っていることを言いにくいなら、それもそのまま話してください。

もしかすると、

あなたが本当に知りたかったことは、「彼は私を好き?」の先にあるのかもしれません。


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