「SEO対策をして、Google検索で上位に表示されれば、ホームページへのアクセスが増える」
これまでホームページで集客するうえで、検索順位はとても重要な指標でした。
しかし最近、Google検索の仕組みが大きく変わりつつあります。
その理由の一つが、AIによる検索結果の表示です。
Googleで何かを検索すると、検索結果の上部にAIがまとめた回答が表示されることがあります。
また、ChatGPTなどのAIに直接質問し、商品やサービスを調べる人も出てきました。
こうした変化によって、ホームページを取り巻く集客環境にも影響が出始めています。
今回は、実際の調査データを紹介しながら、中小企業や個人事業主のホームページは今後どう対応すればよいのかを考えてみます。
1.検索1位でもクリックされにくくなっている?
2026年7月、SEO分析ツールを提供するAhrefsが興味深い調査結果を発表しました。
GoogleのAIによる概要が表示される情報収集型の検索において、日本の検索1位ページのクリック率が、AIによる概要がなかった場合の推定値と比較して62.7%低下していたという内容です。
また、米国のPew Research Centerが2025年に発表した調査でも、次のような結果が出ています。
- AIによる概要がない検索:通常の検索結果のクリック率15%
- AIによる概要がある検索:通常の検索結果のクリック率8%
つまり、検索結果にAIの回答が表示されると、そこからホームページを訪問しない人が増える傾向が確認されています。
ただし、すべての企業のアクセスが同じ割合で減少しているわけではありません。
調べものをする検索と、近くのお店を探したり、商品を購入したりする検索では、利用者の行動も異なります。
それでも、検索順位が高ければ必ずアクセスを集められる、という従来の考え方だけでは不十分になりつつあることは知っておきたいところです。
2.なぜAIによってアクセスが減るのか?
例えば、これまで次のような検索をしていたとします。
「外壁塗装の費用はいくら?」
従来は、検索結果に表示された複数のホームページを開き、それぞれの説明を比較する必要がありました。
しかし、AIが検索結果に費用の目安や注意点をまとめて表示すれば、それだけで疑問が解決する場合があります。
わざわざホームページを開かなくても、欲しい情報が手に入るわけです。
これは検索する人にとって便利な変化ですが、ホームページで情報を発信している企業にとっては、新たな課題になります。
特に、一般的な知識や用語解説など、AIの回答だけで疑問が解決しやすい情報は、クリックされにくくなる可能性があります。
一方で、実際の施工事例、具体的な料金、店舗の雰囲気、対応エリアなど、個々の会社にしか提供できない情報は引き続き重要です。
3.それでは、もうSEO対策は不要なのか?
結論からいうと、SEO対策は今後も必要です。
Googleは2026年5月、AI検索に関する公式ガイドを公開しました。
そこでは、Google検索の「AIによる概要」や「AIモード」においても、従来のSEOの基本が引き続き有効であると説明されています。
つまり、AI検索に対応するために、これまでのSEO対策をすべて捨てる必要はありません。
例えば、次のような取り組みは今後も重要です。
- ホームページの内容をGoogleが正しく読み取れるようにする
- ページごとの内容や見出しを分かりやすく整理する
- お客様に役立つ情報を掲載する
- 他社にはない実績や専門的な情報を発信する
- 会社や店舗の情報を正確に掲載する
Googleは、AI検索に表示されるためだけの特別なファイルや専用の構造化データを追加する必要はないとも説明しています。
「AI検索対策」という新しい言葉を聞くと、何か特別なシステムを導入しなければならないと感じるかもしれません。
しかし、まず大切なのは、既存のホームページの情報をきちんと整えることです。
4.これからのホームページに求められること
では、中小企業や個人事業主は何を意識すればよいのでしょうか。
私は、これからのホームページでは次の3つが特に重要になると考えています。
① 何をしている会社なのか、具体的に伝えること
例えば、「地域密着のリフォーム会社です」という説明だけでは、具体的に何を依頼できるのか分かりません。
対応している工事の種類、営業エリア、料金の目安、得意な工事などを明確にすることで、お客様にも検索システムにも内容が伝わりやすくなります。
② 自社にしかない情報を充実させること
一般的な説明はAIでもまとめられます。
しかし、実際の施工写真、お客様からの相談事例、過去の実績、現場で得た専門知識などは、その会社ならではの情報です。
こうした独自性のある情報は、AI検索だけでなく、ホームページを見たお客様が依頼先を選ぶ際にも役立ちます。
③ アクセス数だけでなく、問い合わせにつながることを重視する
ホームページの最終的な目的は、アクセス数を増やすことだけではありません。
電話、問い合わせ、予約、購入など、実際の集客につながることが大切です。
AI検索によって情報収集目的のアクセスが減ったとしても、依頼を検討しているお客様に必要な情報が届いていれば、ホームページの価値がなくなるわけではありません。
5.AI検索対策のためにホームページを作り直す必要はある?
現時点では、必ずしも作り直す必要はありません。
すでにWordPressなどでホームページを運営している場合、既存ページの文章や構成を見直すことで改善できることも多くあります。
まずは、次のような点を確認してみてください。
- 会社のサービス内容が具体的に書かれているか
- 料金や対応エリアなどが分かりやすいか
- 実績や事例が十分に掲載されているか
- お客様が疑問に感じることに回答しているか
- Googleに正しくページが登録されているか
大切なのは、流行している対策を片っ端から導入することではなく、現在のホームページに何が足りないのかを把握することです。
まとめ:SEOからAI検索へ。変わるのは集客の考え方
AI検索の普及によって、ホームページへのアクセスの集まり方は変化しています。
これまでのように検索順位だけを追いかけるのではなく、検索する人やAIに対して、自社の情報を正確に伝えられるホームページを作ることが重要になっています。
ただし、SEOが不要になったわけではありません。
むしろ、SEOを土台として、会社の強みや具体的な情報を充実させることが、これからのAI検索時代にも役立つ取り組みだと考えています。
次回は、実際に自社のホームページを確認しながら取り組めるように、
「あなたの会社はAIに紹介される? ホームページで今すぐ確認したい5つのこと」
というテーマで、具体的なチェックポイントをご紹介します。
ホームページのSEO対策やWordPressの修正・改善についても対応していますので、現在のサイトについて気になる点があれば、お気軽にご相談ください。