私がコントロールがよくなった話

私がコントロールがよくなった話

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的が動かなかった練習の話

放課後になると、近くの公園へ向かっていました。グローブを持って、ピッチングの練習です。ほとんど毎日行きました。コントロールは、そのころから少しずつ良くなっていったと思います。でも上手くなった理由は、練習の量だけではなかった気がしています。

父は、私が五歳のころから車椅子の生活になりました。歩いている父の記憶は、私にはありません。腰から下が動かない。上半身は動く。だから父は、車椅子に乗ったままキャッチボールをしてくれました。

前後にも、左右にも動けません。私が投げた球を追いかけて取る、ということはできませんでした。父のところへ、ボールを届ける。それだけでした。

公園でも、家の近くでも、やることは同じでした。力いっぱい投げる日もあれば、ゆるく投げる日もありました。どちらにしても、見る場所はひとつでした。フォームよりも、ボールがどこへ向かっているか。父の胸のあたりへ、届くかどうか。

そういう練習を続けていた時期に、私はボーイズリーグに入っていました。小学校六年生のころ、星野JAPANに選ばれました。すごいフォームを覚えたから、ではありません。毎日、的を狙うしかなかった練習の積み重ねだったのだと思います。

今も社会人野球で、投手としてマウンドに立っています。投手一筋で二十一年。振り返ると、あのころのキャッチボールが土台だったのかもしれません。

あとから知った調査の話も、少しだけ書いておきます。

八歳から十二歳の子ども百六十二人に、初めての投げ方を練習させた調査があります。野球のマウンド投球そのものではありません。「目標を見て」「ボールの球筋を見て」と言われた子は、練習している時間は上手く投げれました。体の動きを見るよう言われた子より、正確でした。ただ一週間あとに、もう一度投げさせると、その差はなくなっていました。

七歳から十歳の二十四人を対象にした、人数の少ない調査もあります。上手な人の投げ方を見せるとき、「ボールの球筋を見て、投げる目標を見て」と言われた子のほうが、見た直後の投げ方は正確でした。

”ただ一週間あとに、もう一度投げさせると、その差はなくなっていました„
これでは、上手くなあっていくかと言われると?になります。
その為、目標に正確に投げれる再現性を身に着けるためにもフォームは大切です。

ただ、フォームを直そうとするとき、。肘の角度や足の上げ方ばかりを言葉にすると、子どもは体のことばかりを考えてしまいます。目標に向かって正確に投げるためのフォームを作ることを意識することが大切です。

『しっかりと目標物を見たり、意識したりして投球練習やシャドーピッチングをすることによってボールを投げることが上手くなりやすい』狙ったところへ、球を投げられること。それが試合につながります。

前回、コントロールの話を書きました。今回はその続きです。実体験も踏まえてまずは的をはっきりさせてあげてください。
私にとっての的は、動かない父のキャッチボールでした。
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