美容室やネイルサロンの開業を考えたとき、最初にぶつかるのが「いくら必要で、月にいくら売ればやっていけるのか」という数字の問題です。
この記事では、日本政策金融公庫が公開している「創業計画書の記入例(美容業)」をもとに、数字の組み立て方を整理します。
■ 公庫の記入例の数字
公庫の記入例では、次のような前提で売上を計算しています。
・客単価 6,000円
・座席 3台
・1日の回転数 2回転(軌道に乗った後は3回転)
・営業日数 月26日
・ヘアケア商品の販売 月2万円
これで計算すると、開業当初の売上は約95万円、軌道に乗った後は約142万円になります。
必要な資金の合計は約1,030万円とされていて、内装工事、セット椅子、シャンプー台、保証金などが大きな内訳です。
■ 売上は「客単価×席数×回転数×営業日数」で考える
公庫の担当者が知りたいのは、売上の金額そのものよりも「その数字の根拠」です。
だからこそ、売上はざっくりとした金額ではなく、客単価・席数・回転数・営業日数の掛け算で示すのが基本です。
回転数は、勤務時代の指名客数や予約状況など、自分の実績を根拠にすると説得力が増します。
■ 見落としやすいのは「生活費」と「開業直後の赤字」
個人事業で開業する場合、利益から自分の生活費も払うことになります。
帳簿上は黒字でも、生活費と借入の返済を差し引くと手元の現金が減っていく、ということは珍しくありません。
開業から軌道に乗るまでの数か月は客数が少ないため、「何か月目に現金が一番少なくなるか」を先に確認しておくと安心です。
■ 損益分岐点(1日に何人来れば赤字にならないか)を出しておく
家賃・人件費・光熱費など毎月かかる固定費を、売上から材料費を引いた粗利でまかなえるラインが損益分岐点です。
これを1日の客数に直しておくと、「今日は何人来たから大丈夫」と日々の判断にも使えます。
■ 数字を自動で計算するテンプレート
ここまでの計算を、席数・客単価・回転数などを入れるだけで自動で出せるExcelテンプレートを、このページの出品者のサービス一覧で販売しています。
36か月分の収支と資金繰り、損益分岐点、公庫の創業計画書に書き写す数字と計算根拠までまとめて出てきます。
美容室のほか、整体院・飲食店・ペットサロン・パーソナルジム版もあります。
※数字は公庫の記入例の一例です。実際の金額は地域や物件、業態で大きく変わります。
参考:日本政策金融公庫「創業計画書 記入例(美容業)」