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法律・税務・士業全般
第2章 第16話 家族信託で、家を「貸す・売る」ことはできる?
記事
法律・税務・士業全般
みくたぎ
2026/10/30 21:26
第2章 ~家のこれからを考える~
前回まで、
「家の現在地」
「家族の現在地」
「考えられる選択肢」
を整理し、家族で方向性を考えてきました。
ここからは、
その方向性を実現するために、どんな方法があるのか?
を考えてみたいと思います。
最初は「家族信託」です。
「家族に任せる」だけでは足りない
例えば、
親は今、自宅で元気に暮らしている。
でも将来、自分で家の管理が難しくなったら、
「この家のことは子どもに任せたい」
と考えている。
家族の間でも、それは共有されている。
では、
それだけで、子どもが家を管理したり、貸したり、
売ったりできるのでしょうか?
家族だからといって、親名義の不動産を子どもが
自由に処分できるわけではありません。
そこで、本人に十分な判断能力があるうちに、
財産管理の仕組みを作る方法の一つが「信託」です。
親族間で利用されるものは、一般的に「家族信託」
などと呼ばれています。
法務省も2026年、認知症などに備えた財産管理の方法として、
親族間の信託について一般向けのパンフレットを公表しています。
※ 法務省の案内ページ
家族信託は「財産をあげる」ことではない
例えば、
父が持っている不動産を息子に託す。
父が「委託者」
息子が「受託者」
そして、その財産から利益を受ける父を
「受益者」とする。
このような形が考えられます。
息子が自分の財産として好きに使っていい、
という意味ではありません。
決められた信託の目的に従って管理します。
※ 不動産の名義は受託者である息子に移りますが、
息子自身のための財産になるわけではありません。
つまり、
「財産そのものをあげる」のではなく、
「目的を決めて、管理を託す」。
ここが、生前贈与との大きな違いです。
では、貸したり売ったりできるのか?
ここは、不動産を考えるうえで重要だと思います。
結論から言えば、
信託契約の内容や目的、受託者に与えられた権限によっては、
受託者が家を管理し、貸したり、売却したりすることも可能です。
ただし、
「家族信託をすれば、何でも自由にできる」
という意味ではありません。
何のために信託するのか?
どの財産を信託するのか?
誰を受託者にするのか?
そして、
管理だけを任せるのか?
賃貸も出来るようにするのか?
必要になれば売却できるようにするのか?
それらをあらかじめ考えて、仕組みを作っておく
必要があります。
「売る制度」ではなく、「将来に備える仕組み」
第14話では、
住み続ける。
貸す。
売る。
残す。
という選択肢を考えました。
家族信託は、その中から何か一つを選ぶ制度ではありません。
むしろ、
将来、本人の判断能力が低下したとしても、その方向性を
実現するための財産管理を誰が担うのか?
そこを元気なうちに準備する方法の一つです。
だからこそ、
「家族信託をした方がいいですか?」
から始めるのではなく、
「この家を、これからどうしたいですか?」
から考える。
私は、この順番が大切だと思っています。
ところで、家族信託とは異なる仕組みで、本人の財産や
生活を守る制度もあります。
次回は、
成年後見制度。
家族信託とは何が違うのか?
そして成年後見人が付いた場合、家を貸したり
売ったりすることはできるのか?
そこを整理してみたいと思います。
了
#家族信託
#不動産
#相談受付
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