■会社の資産なのに会社のものではありません
開発会社ではサーバやドメインを管理する機会が多くあります。しかし実際に確認すると、契約者が会社ではなく元社員になっているケースがあります。契約時は問題ありません。担当者が契約した。担当者が管理した。担当者が支払った。それで運用できていたからです。しかし私はこの状態を見ると非常に危険だと思います。なぜなら、会社の資産なのに会社が管理できていないからです。
■開発会社では意外と珍しくありません
特に小規模な開発会社ではよくあります。会社設立前から使っていた。担当者が立ち上げた。とりあえず個人名義で契約した。そのまま何年も運用した。こうして契約者情報が更新されないまま残ります。利用中は問題ありません。しかし問題が発生した時に初めて危険性が表面化します。
■私自身が見たケース
実際に確認した環境では、ドメインの契約者が既に退職した社員になっていました。サーバ契約も同じです。ホームページは動いています。メールも使えています。だから誰も気付いていませんでした。しかし更新手続きや管理情報の確認をしようとした時に問題が発覚しました。契約者本人しか分からない情報が残っていたのです。
さらに厄介なのは、その元社員が悪意を持っていなくても問題が発生することです。連絡先が変わった。登録メールアドレスが使えなくなった。契約更新通知が届かなくなった。こうしただけで会社は重要資産を管理できなくなります。
■退職後に本当の問題が始まります
担当者が退職した。連絡先が変わった。契約更新メールが届かない。本人確認ができない。こうした状況になると会社は資産を持っているのに管理できません。ドメインが失効する。サーバ契約が更新できない。管理画面へ入れない。実際には技術的な問題ではありません。契約管理の問題です。
開発会社は技術に目が向きがちです。しかしサーバやドメインは契約情報まで含めて管理しなければなりません。私はむしろ技術より契約管理の方が重要な場面も多いと考えています。
■顧客案件ではさらに深刻です
開発会社の場合、自社だけで終わりません。顧客サーバ。顧客ドメイン。顧客メール。これらまで個人名義で管理されているケースがあります。担当者が退職した。制作会社が変わった。その時に顧客自身も契約者情報を把握していない。こうなると顧客資産まで巻き込むことになります。
私はこれを非常に危険な状態だと思っています。なぜなら顧客から見れば、自社の資産が第三者の個人名義で管理されている状態だからです。
■私が確認するポイント
私が確認するのはサーバが動いているかではありません。契約者は誰かです。具体的には、契約者は会社名義か。登録メールアドレスは会社管理か。請求先は会社か。契約更新を会社が行えるか。管理職を含む第三者が確認できるか。こうした点を確認します。
また、月に1回程度は契約情報の棚卸しを行うこともおすすめしています。サーバ、ドメイン、SSL証明書、クラウド契約などは利用状況だけでなく契約者情報も確認するべきです。
■元社員名義の会社に共通すること
こうした会社に共通するのは、今まで問題が発生していないことです。サービスは動いている。更新もできている。だから見直しません。しかし担当者退職、契約更新、移管作業などのタイミングで問題が表面化します。その時になって初めて、会社の資産を会社が管理していなかったことに気付くのです。
■まとめ
サーバやドメインを利用することは問題ではありません。問題なのは、会社の資産なのに元社員名義で契約されていることです。
サーバ、ドメイン、SSL証明書、メール環境は会社の重要な資産です。契約者情報まで含めて会社が管理できる状態になっているか、一度確認してみることをおすすめします。
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