■開発責任者がいるから安心ですか
開発会社ではMicrosoft 365、Google Workspace、クラウドサーバ、GitHub、各種SaaSなど、多くのシステムを利用しています。そして気付くと「管理者権限は開発責任者だけ」という状態になっている会社を見かけます。一見すると問題はありません。技術に詳しい人が管理しているのだから安心だと思われがちです。しかし私はこの状態を見ると少し気になります。なぜなら、会社の資産なのに会社として管理できていない可能性があるからです。
■技術者が優秀なほど起こります
この問題は能力不足で発生するわけではありません。むしろ逆です。技術に詳しい。対応が早い。何でも知っている。だから自然と管理権限が集まります。サーバ管理。クラウド管理。メール管理。ドメイン管理。ソースコード管理。気付けば一人に集中しています。本人も会社も困っていないため、そのまま何年も運用されることがあります。
■私自身が見たケース
実際に確認した環境では、クラウドサービス、サーバ、ドメイン、GitHubの管理権限が全て開発責任者に集中していました。問題なく運用できていました。しかし別の担当者へ引継ぎできるか確認すると誰も答えられません。契約先が分からない。管理者一覧がない。認証方法が分からない。本人に聞けば解決します。しかし本人が不在だったらどうなるのでしょうか。その時点で既に属人化が始まっています。
■退職だけが問題ではありません
この話になると退職を想像する人が多いかもしれません。しかし実際にはもっと前に問題が発生します。長期休暇。病気。出張。担当案件の集中。こうした状況でも運用は止まります。アカウント追加ができない。権限変更ができない。契約更新が分からない。会社として運用しているはずなのに、一人しか対応できない状態になるのです。
■開発会社ほど危険です
開発会社は技術者が多いため安心だと思われがちです。しかし実際には逆のケースもあります。全員が開発に集中しているため、管理情報の整理や引継ぎが後回しになることがあります。その結果、技術は分かる。システムも分かる。しかし契約情報や管理権限は一人しか知らない。という状態が生まれます。私はこの状態を非常に危険だと思っています。
■私が確認するポイント
私が確認するのは管理者が誰かではありません。会社として管理できる状態になっているかです。具体的には、管理者一覧があるか。副管理者がいるか。認証方法を共有できるか。契約情報を確認できるか。管理職を含む第三者が対応できるか。こうした点を確認します。また、月に1回程度は管理者権限の棚卸しを行うこともおすすめしています。誰が何の権限を持っているのかを定期的に確認するだけでも、多くの属人化を防ぐことができます。
■開発責任者に依存している会社に共通すること
こうした会社に共通するのは、今まで問題が発生していないことです。本人に聞けば解決する。本人が対応してくれる。だから見直しません。しかし問題が発生した時は深刻です。管理者情報が分からない。契約情報が分からない。認証方法が分からない。その時になって初めて、会社の資産を一人しか管理できていなかったことに気付くのです。
■まとめ
開発責任者が管理者であること自体は問題ではありません。問題なのは、開発責任者しか管理できない状態になっていることです。
クラウドサービス、サーバ、ドメイン、ソースコード管理環境は会社の資産です。担当者が変わっても管理できる状態になっているか、一度確認してみることをおすすめします。
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