■任せることと丸投げは違います
中小企業ではIT業者へ管理を任せているケースをよく見かけます。社内に専門担当者がいないため、外部の業者へ依頼すること自体は悪いことではありません。むしろ専門家を活用することは大切です。しかし私が気になるのは、任せていることではなく、何を任せているのか会社自身が把握していないケースです。
■実態を聞かれると誰も答えられない
実際によくあるのは、利用しているクラウドサービスが分からない。契約しているサービスが分からない。管理者アカウントが分からない。ドメインの管理先が分からない。サーバの契約先が分からない。という状態です。そして理由を聞くと「業者さんに任せています」という回答が返ってきます。業者へ任せることは問題ありません。しかし会社が何を契約し、何を利用し、誰が管理しているのか分からない状態は問題です。
■業者の言うことが正しいか判断できません
実態を把握していない会社でよくあるのが、業者の提案をそのまま受け入れてしまうことです。なぜこのサービスが必要なのか。なぜこの費用が掛かるのか。なぜこの構成なのか。それを判断する材料が社内にありません。すると業者の提案が正しいのか、高いのか、安いのか、本当に必要なのかも分からなくなります。私はこれが一番危険だと思っています。
■私自身が見たケース
以前、ある会社の環境を確認した際に利用サービス一覧を確認しようとしたことがありました。ところが社内の誰も把握していませんでした。業者へ連絡すると資料は出てきました。しかし社内には情報が残っていません。担当者も知らない。管理職も知らない。社長も知らない。実質的に業者だけが全体像を把握している状態でした。その状態では業者を評価することも、業者を変更することもできません。
■業者が悪いわけではありません
この話になると「業者が情報を渡していない」と思われることがあります。しかし実際にはそうとは限りません。資料は渡されている。説明も受けている。しかし日々の業務で利用しないため忘れてしまうのです。その結果、分からないことがあれば業者へ聞く。また業者へ聞く。さらに業者へ聞く。という状態になり、少しずつ依存が強くなっていきます。
■業者変更の時に問題が発生します
普段は問題ありません。しかし業者変更を検討した時に問題が発生します。契約情報が分からない。管理者情報が分からない。設定内容が分からない。利用サービスが分からない。これでは引継ぎもできません。結果として「よく分からないから今の業者を続ける」となってしまうケースもあります。本来であれば業者は会社が選ぶ立場です。しかし実態を把握していないと、いつの間にか会社が業者に依存する立場になってしまいます。
■私が確認するポイント
私が確認するのは業者の良し悪しではありません。会社自身が実態を把握しているかです。具体的には、利用サービス一覧があるか。契約先が分かるか。管理者情報が分かるか。ドメイン管理者が分かるか。業者が変わっても運用できるか。こうした点を確認します。業者へ任せることと、会社が何も知らないことは別の話です。
■IT業者任せの会社に共通すること
こうした会社に共通するのは、今まで大きな問題が起きていないことです。だから現状に不満もありません。しかし問題が発生した時は深刻です。業者と連絡が取れない。担当者が退職した。契約内容が分からない。管理者アカウントが分からない。その時になって初めて、自社で何も把握していなかったことに気付くのです。
■まとめ
IT業者へ任せること自体は問題ではありません。問題なのは、自社の環境を自社で把握していないことです。そしてもう一つの問題は、業者の提案を評価できないことです。
会社のメール、クラウドサービス、サーバ、ドメイン、各種契約は会社の資産です。業者が変わっても管理できる状態になっているか、一度確認してみることをおすすめします。
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「うちの運用は大丈夫だろうか」と気になった方は、お気軽にご相談ください。