■退職そのものより引継ぎできないことが問題です
担当者が退職すること自体は珍しいことではありません。どの会社でも異動や退職は発生します。本来であれば担当者が変わっても業務は継続できなければなりません。
しかし実際には、担当者の退職をきっかけに様々な問題が表面化することがあります。私が見てきた中でも、「退職したこと」が問題なのではなく、「引継ぎできなかったこと」が問題になっているケースが少なくありませんでした。
■退職後に初めて気付くことがあります
実際によくあるのが、誰も管理画面へログインできない。契約情報が分からない。利用しているサービス一覧がない。ベンダーの連絡先が分からない。そんなケースです。
在職中は本人が対応していたため問題になりません。しかし退職した瞬間に誰も分からなくなります。すると業務が止まります。これはITの問題ではなく運用の問題です。
■引継ぎ資料は存在していても安心できません
「引継ぎ資料はあります」という会社もあります。
しかし実際に確認すると、数年前の資料だった。パスワードが違っていた。契約内容が更新されていた。担当者しか理解できない内容だった。ということがあります。
資料が存在することと、引継ぎできることは別です。重要なのは第三者が見ても運用できる状態になっていることです。
■私自身が見たケース
以前確認した環境では、担当者退職後にメール設定の変更が必要になりました。ところが管理画面へ入れません。契約情報も分かりません。引継ぎ資料もありません。
結局、利用していたサービスの契約先を調査するところから始まりました。本人が在職中は問題ありませんでした。しかし退職後に初めて属人化が発覚したのです。こうしたケースは意外と珍しくありません。
■退職者が悪いわけではありません
この話になると「引継ぎしなかった担当者が悪い」という話になりがちです。
しかし私はそうは思いません。
一人しか分からない状態を許していた組織側にも課題があります。担当者が優秀であればあるほど仕事は集中します。そして気付かないうちに属人化が進みます。
だからこそ退職直前ではなく、普段から見直しておく必要があります。
■私が確認するポイント
私が確認するのは引継ぎ資料の有無ではありません。
実際に管理職を含む第三者へ引き継げる状態かを確認します。
具体的には、契約情報が分かるか。管理者情報が分かるか。利用サービス一覧があるか。ベンダー連絡先が分かるか。担当者変更時の手順があるか。こうした点を確認します。引継ぎ資料よりも、会社として管理できる状態になっているかの方が重要です。
■引継ぎできない会社に共通すること
こうした会社に共通するのは、今まで大きな問題が起きていないことです。担当者が長年在籍していた。その人に聞けば何でも分かった。だから管理方法を見直す必要がなかった。しかし退職が決まった瞬間に問題が噴き出します。
契約情報が分からない。アカウント情報が分からない。更新手続きが分からない。ベンダーとの窓口も分からない。その時になって初めて「会社ではなく担当者が管理していた」ことに気付くのです。
■まとめ
担当者が退職することは避けられません。しかし引継ぎできない状態は避けることができます。
会社のメール、クラウドサービス、契約情報、各種アカウントは会社の資産です。担当者が変わっても運用できる状態になっているか、一度確認してみることをおすすめします。
初回30分のオンライン相談は無料です。
「うちの運用は大丈夫だろうか」と気になった方は、お気軽にご相談ください。