小説を書こうと思った時、キャラクター設定をどこまで決めればよいのか迷うことがある。
名前、年齢、性格、過去、口癖、好きなもの、苦手なもの。細かく考えれば、設定はいくらでも増やすことができるからに他ならない。しかし、キャラクター設定の目的は、キャラクター自身が作中で動き出すための材料と言える。
この記事では、私が小説を書く前に決めている必要最低限のキャラクター設定と、その中でも特に大切だと考えている項目を紹介する。
キャラクター設定とは?
キャラクター設定とは、物語に登場する人物について、考え方や目的、外見、過去、人間関係などを決めることを指す。一方で、設定を作る目的は、プロフィールを細かく埋めることではなく、物語の中で「この人物なら、どう考えるだろう」「この場面では、どんな行動を取るだろう」と作者がイメージしやすくするための材料である。
私が考える、必要最低限のキャラクター設定
キャラクター設定は、細かく作ろうと思えばいくらでも増やすことができる。私の場合、小説を書き始める前には、まず以下の項目を設定している。
その他にも、そのキャラクターの一人称は何を使うのか?をあらかじめ決めておくと、制作時の迷いが減り、キャラクター性アップにつながるとも言える。
私が特に大切だと思う項目
キャラクター設定は作中でキャラクター自身が動き出せるようにする道具だと、私はとらえている。そこで、本項では年齢や性別などの他に、キャラクターが動き出したくなる要素を3つ紹介する。
キャラクターの目的が推進力を生む
目的とは、キャラクターが物語の中で達成しようとしていることである。例えば「大会で優勝したい」「好きな人に思いを伝えたい」「故郷へ帰りたい」「事件の真相を知りたい」などさまざまなケースが考えられる。
なぜ目的が重要なのか?
それは、目的がそのままキャラクターの行動基準となり、次に何をするのか、どのような選択をするのかを、作者が追いやすくなるからだ。
反対に、目的があいまいだと、物語を進めるために、作者が目的を提示してやる必要があり、物語ないしキャラクターの推進力が損なわれるケースもしばしばある。
また、目的は必ずしも物語の最後まで同じである必要はない。出来事や人間関係によって、変化したり、大きくなったりしてもよいと、私は考えている。大切なのは、物語の今この瞬間に、そのキャラクターがどこへ向かおうとしているのかを作者が把握していることだと肝に銘じている。
キャラクターの秘密が奥行きを生む
秘密とは、本人が隠していることや、まだ物語の中で語られていないこと。しかし、大きな事件に関わる秘密だけとは限らない。例えば「本当は仕事を辞めたい」「昔の失敗を誰にも話していない」「友人に嫉妬している」「自分でも認めたくない夢がある」といったものでもよい。
秘密があるとどうなるのか?
それは、キャラクターの表に出ている言動と内面にズレが生じたり、物語内の人間関係にもズレが生まれたり、伏線になったりする。例えば――
笑っているけれど、本当は怒っている。
応援しているように見えるけれど、本当は悔しい。
嫌っているフリをして、実は気になっている。
などのズレが、キャラクターの行動に別の意味を持たせることができる。さらには、秘密がいつ、どのような形で明らかになるのかを考えることで、物語の展開をより深いものにできると期待できる。
キャラクターの「物語開始前エピソード」が目的や秘密の理由になる
物語開始前のエピソードとは、現在のキャラクターにつながる過去の出来事となる。
例えば――
なぜ、本当は怒っているのに、笑っているのか?
なぜ、本当は悔しいのに、応援しているのか?
なぜ、実は気になっているのに、嫌っているフリをするのか?
これらの答えは、キャラクターの過去の経験から導き出される。そのため、物語が始まる前のエピソードを考えておくと、キャラクターの行動や考え方に理由を持たせやすくなる。
しかし、注意点としてすべての過去を細かく作る必要はなく、キャラクターの目的や秘密につながるエピソードを考えるだけで十分だと、私は考えている。
まとめ
キャラクター設定では、名前や年齢、性格、外見だけでなく、目的、欲望、信条、過去、人間関係などを考えていく。その中で、私は「目的」「秘密」「物語開始前のエピソード」を大切にしている。
目的はキャラクターがこれからどこへ向かうのか。
秘密は今その人物が何を抱えているのか。
物語開始前のエピソードはなぜ今の人物になったのか。
この3つが見えてくると、キャラクターが物語の中でどう考え、どう動くのかも想像しやすくなる。
まずは必要最低限の設定を作り、物語を書きながらキャラクターを育てていく。それくらいの感覚で、キャラクター設定を始めてみてはどうだろうか。
以上
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