同じ業務を頼んでいるのに、社員によってAIの出力結果がばらついて実務で使いづらい。ツールの操作説明だけでなく、業務で使う指示文と出力の確認基準を揃えておくことで、研修後すぐに現場で試しやすくなります。
1. 9月に発表されたカスタム指示の機能拡大と社内活用の前提
2026年9月2日、Googleより「Gemini in Workspace」においてカスタム指示(Custom instructions)を利用できる対象アプリの拡大が公式発表されました。これにより、個別のチャットごとに前提条件を毎回入力し直す手間を減らし、業務プロファイルを維持しやすくなる環境が順次整備されています。
ただし、公式アナウンスによると、この機能は即座に全ユーザーへ一斉適用されるわけではなく、対象のエディションやドメインごとに最大15日程度をかけて段階的に展開(Rollout)される仕様です。また、組織の管理者が設定する利用権限や契約プランによっても利用可否が分かれます。
そのため、社内研修を企画する段階では、「ツール固有の特定ボタンの操作手順」だけに依存した内容にするのではなく、ツールが更新されても現場でそのまま機能する「業務上の指示の型」を共通言語として教育しておくことが現実的なアプローチとなります。
2. 指示のばらつきを抑える「3つの枠組み」
AIに業務を依頼する際、人によって出力の質が大きく異なる原因は、「何をインプットして、どのような形式でアウトプットさせるか」の設計が共有されていない点にあります。
社内研修で統一しておきたい基本の枠組みは次の3点です。
1. 目的・前提(誰が誰に対して回答するのか)
例:「自社サービスの利用企業からの問い合わせに対し、サポート窓口担当として回答案を作成する」
2. 禁止・制約条件(守るべきルール)
例:「未確定のリリース時期は言及しない」「社外秘情報・個人情報は入力しない」「専門用語は使わず平易な表現にする」
3. 出力形式(受け取りたい形)
例:「件名案2件、本文(200〜300字程度)、確認が必要なチェック項目3点を箇条書きで出力する」
この3枠を共通ルールとしてスライドに提示することで、受講者は「毎回ゼロからプロンプトを考える」負担から解放され、業務の基準に沿った出力を行わせやすくなります。
3. 自分でできる範囲と、研修資料制作を依頼するメリット
社内でのAI活用推進は、準備段階と資料化の段階で作業を切り分けられます。
・自分で対応できる範囲
自社のWorkspace環境で新機能が利用可能になっているかの確認や、日頃の業務で使っている定型メール・日報・議事録の文面を集める作業は、社内の担当者自身で進めるのが最もスムーズです。
・専門家への依頼が適している範囲
「集めた業務事例を、非エンジニアの受講者が30分〜1時間で直感的に理解できるスライドへ落とし込みたい」「文字ばかりにならず、操作画面や3枠の構造を図解化したい」「研修中に実際に手を動かすワーク(演習シート)までワンセットで揃えたい」という場合は、構成設計とスライド制作を外部へ依頼することで、準備にかかる時間を大幅に圧縮できます。
まとめとご相談について
社内AI研修を成功させる鍵は、ツールの新機能を網羅することではなく、「研修が終わったその日から、受講者が自分の仕事で試せる具体的な指示の型を持ち帰れるか」にあります。
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【参考資料】
・発行元:Google Workspace Updates
・資料名:Custom instructions for Gemini in Workspace now available in more apps
・発表日:2026-09-02
・確認日:2026-09-09