事業計画書で、いちばん手が止まる欄です。
「セールスポイント」「事業の強み」「競合との違い」。
呼び方はいろいろですが、聞かれていることは同じです。
なぜあなたから買うのか。
ここで多くの方が、こう書きます。
■ よく書かれるが、効かない書き方
・丁寧な接客を心がけます
・お客様に寄り添います
・品質にこだわります
・地域に愛されるお店を目指します
悪いことは書いていません。
ただ、読む側から見ると、誰が書いても同じです。
審査をする人は、同じ書類を毎日何通も読んでいます。
その中で、この4行は記憶に残りません。
問題は内容ではなく、確かめようがないことです。
■ 強みとは、確かめられる事実のこと
書き換えの方向はひとつです。
言い切りを、事実に置き換えます。
× 品質にこだわります
○ 仕入を◯◯産に限定し、月2回、生産者から直接受け取ります
× 丁寧な接客を心がけます
○ 1日の予約を6組までに絞り、1組あたり90分を確保します
× 経験が豊富です
○ 同業で8年、うち3年は店長として月商◯◯万円の店を任されていました
右側は、嘘をつけません。
だから信用されます。
■ 材料は、この4つから探す
何もないと思っても、たいていどれかにあります。
◆ 経歴
どこで、何年、何をしていたか。
役職、担当した規模、任されていた範囲。
創業融資では、その業種の経験年数がいちばん見られます。
6年以上あると評価されやすい、という話もあります。
◆ すでに決まっている取引
買ってくれる人がいる、というのは最も強い材料です。
・前職からの顧客が何人いるか
・すでに発注の話がある先が何社あるか
覚書でも、メールのやり取りでも構いません。紙にして添えてください。
◆ 仕入や設備の条件
・他より安く仕入れられる先がある
・その地域に他にない機械を入れる
・家賃が相場より安い物件を押さえた
これらは数字で書けるので、そのまま強みになります。
◆ 立地と商圏
・駅から徒歩◯分、1日の乗降客数は◯人
・半径1kmに同業が◯軒しかない
・近隣にオフィスが◯社あり、昼の需要が見込める
調べれば出る数字です。調べた形跡そのものが評価されます。
■ 「弱み」の欄も、書き方があります
空欄にしたり、当たり障りのないことを書いたりする方が多いところです。
ここは正直に書いたうえで、対策とセットにします。
弱み:開業当初は認知度が低い
対策:開業3か月前からSNSで発信し、開店時に◯人の
フォロワーを確保する。近隣◯世帯にチラシを配布する
正直に書いて対策が示してある計画書は、
「この人は自分の事業を客観的に見られている」と読まれます。
隠したほうが、かえって印象が悪くなります。
■ 分量は、3つまで
強みを10個並べても伝わりません。
3つに絞って、それぞれに事実を1つずつ付ける。
これがいちばん通ります。
書ききれない材料は、別紙や添付資料に回してください。
■ 最後に声に出して読む
書き終えたら、その欄だけを声に出して読んでみてください。
「なぜあなたから買うのですか」と聞かれて、
その文章をそのまま答えられるなら、通じる書き方になっています。
読んで気恥ずかしくなるようなら、たいてい言い切りが残っています。
■ 今日できること
いま書いてある強みの欄を見て、それぞれの文に
数字か固有名詞が入っているかを確かめてください。
どちらも入っていない文は、書き換えの対象です。
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その強みが伝わる書き方になっているか、審査する側の目で見て直します。