こうしてココナラで電話相談などを出品したり、いろいろな作業をしていると、突然ふと、こんなことが頭をよぎります。
「車に例えると、紀真はF1のレースカーになりたいのか、それともタクシーになりたいのかな?」
正直に言えば、F1のレースで優勝して、周囲から注目を浴びる。
優勝しないまでも、超高性能で高価な車になって、華やかなレース場を走り、美人のお姉さんたちに囲まれていたい……。
そんな気持ちも、もちろんあります(笑)。
でも一方で、こんなタクシーもいいなと思うのです。
雨の日に、濡れそうになって困っているお客さんを乗せてあげる。
小さなお子さんを連れて、道に迷って困っているお母さんを乗せてあげる。
重い荷物を持って歩いているお年寄りを乗せてあげる。
そんなふうに、誰かの「困った」を少しだけ助けるタクシー。
一度きりの人生……いや、車に例えるなら「車生」だから、そんな生き方もいいかなと思います。
もちろん、タクシーですから、時には酔っ払いの嫌なお客さんに出会ったり、横柄なお客さんに出会ったりして、
「なんだよー、今日はついてないな!」
なんて、愚痴をこぼすこともあるでしょう(笑)。
私は西洋占星術でいう太陽星座が蠍座で、月星座が双子座です。
そのせいなのかどうかは分かりませんが、どうも私は「義理と人情」に弱い。
人のちょっとした思いやりや、真っ直ぐな気持ちに触れると、すぐに涙腺が緩んでしまいます。
そんなことを考えていたら、新聞記者時代の、あの事を思い出しました。
小さな男の子と、金属製のお弁当箱
私が担当していた地域で、「移動広島原爆展」が開催されたことがありました。
その会場に、小学3年生くらいの男の子がお母さんと一緒に来ていました。
男の子は、お母さんと展示物を真剣な眼差しで見つめていました。
その中に、あの原爆にも耐え、被爆後も残った金属製のお弁当箱がありました。
新聞記事では、展示会の参加者の感想などを紹介することがよくあります。
そこで私は、その男の子に、
「どうして、この展示会を見に来ようと思ったのですか?」
と尋ねました。
すると男の子は、
「学校で、このお弁当箱のことを習いました。どうしてもお母さんに見せたくて来ました」
と答えました。
学校でこのお弁当箱について学んだとき、男の子が何を感じたのか。
それは、私には分かりません。
でも、きっと何か心に残るものがあったのでしょう。
だからこそ、
「どうしてもお母さんに見せたい」
と思ったのだと思います。
その隣で、お母さんがにこやかに微笑みながら、息子さんの話を聞いていました。
その光景にも、私は心を打たれました。
そして、
「この男の子の思いに、何かしてあげられないかな」
と思いました。
そこで、もちろんその出来事を記事に盛り込み、掲載された新聞と手紙を添えて、男の子に送りました。
しばらくして、その男の子から返事が届きました。
「新聞に自分のことを載せてくれて、とても嬉しかった」
という、手書きの手紙でした。
……またまた涙腺が緩みました。
こういうところが、どうも私は弱いんです(笑)。
そうそう、忘れていました
F1のレースカーのように、華やかに注目を浴びる人生も、もちろん憧れます。
でも、誰かが困っているときに、
「どうしたの?」
と声をかけてあげられる。
誰かの真っ直ぐな思いに心を動かされる。
そして、自分にできることがあれば、ほんの少しの事だけど手を差し伸べてあげられる。
そんな生き方が自分らしい。
そう考えると……
やっぱり紀真は、タクシーの車で生きていくことにします。