「あなたは、なかなか幸せになれない人です」――技術職の私が人相学に興味を持ったきっかけ

「あなたは、なかなか幸せになれない人です」――技術職の私が人相学に興味を持ったきっかけ

記事
コラム
「あなたは、なかなか幸せになれない人です」
初めて自分の人相を見てもらったとき、そう言われました。

え、何それ。
正直、かなり衝撃でした。
何を見て、そんなことが分かるの?

そして、じゃあ、この先どうしたらいいの?
とも思いました。

その方は、人相学を教えている先生でした。
もともとは別の講座でお会いしていて、何気なく、
「私の人相って、どうですか?」と聞いたのが始まりでした。
その日は時間がなく、詳しい理由までは聞けませんでした。

だから、何を見て、そう判断したんだろう。
という疑問だけが残りました。

「妥協できないタイプですね」

後日、先生にもう一度聞いてみました。
そこで言われたのが、「妥協できないタイプ」ということでした。

80点までできても、「もっとできるはず」と思う。
90点までいっても、「もっといいものがあるんじゃないか」と思う。
95点になっても、まだその先を求める。
なかなか、「まあ、これでいいか」にならない。

だから達成感を得にくく、自分で自分を満足させるのが難しい。
先生からは、そう説明されました。

「幸せになれない」という言い方は強い。
でも、説明を聞いていくと意味は分かりました。

確かに、満足しにくいというところには心当たりがあります。
さらに先生からは、その「もっと、もっと」が大きな成果につながれば、
大器晩成になる可能性もある。
でも、求め続けたまま何も形にできずに終わる可能性もある。

そんな話も聞きました。
良いとか悪いとか、そんな単純な話ではないんだなと思いました。

最初は「占いみたいなものでしょ」と思っていた

とはいえ、まだこの時点では、人相学そのものに惹かれていたわけではありませんでした。
むしろ、「そんなもので本当に分かるの?」と思っていました。

顔を見て性格が分かるなんて、占いみたいなものじゃないのか。
そんな感覚です。

でも先生から、人相学では顔の形だけを見るのではなく、その人がしてきた経験や考え方も顔つきに表れてくる、という考え方を聞きました。
また、長年の観察や蓄積から読み解いていくものだとも教わりました。

ただ、私は何かを言われると、
「なぜ?」
「どこを見て、そう考えたんだろう?」と考えます。

「あなたはこういう人です」と言われることより、
何を見て、なぜそう読むのか。
そちらの方が気になっていました。

「判断が遅い」だけではなかった

先生から、「視野は広いけれど、判断は少し遅くなりやすい」
と言われたこともあります。

最初は、全然ピンときませんでした。
先生は目と目の間隔を見ながら、草食動物と肉食動物を例にして説明してくれました。

広く周囲を見るタイプと、対象を絞って細かく見るタイプ。
どちらが良いという話ではなく、見えているものが違うという説明でした。

それを聞いて、自分の普段の行動を振り返ってみました。
私は、いろいろなところから情報を集めます。
その分、判断材料が増えて、決めるまでに時間がかかることがある。
でも逆に、集めた情報をつなげて、
「こういうことなんじゃないか」と推論するのは比較的得意です。

「判断が遅い」だけなら弱点に見えます。
でも、その裏側には別の特徴がある。
そう考えると、見え方が少し変わりました。

一卵性双生児の話

もう一つ、印象に残っている話があります。
一卵性双生児です。

子どもの頃はよく似ていても、大学や就職などで別々の経験をするようになり、年月が経つと顔つきが違って見えることがある。

先生はそれを例に、生まれつきの顔だけではなく、その後の人生経験によって顔つきも変わっていく
という考え方を説明してくれました。

その話を聞いたとき、「ああ、そういう見方なのか」と腑に落ちるものがありました。
生まれたときの顔だけを見て、「あなたは一生こういう人です」と決めるものではない。
その人が歩いてきたものも含めて見る。

そこで、俄然興味が湧きました。
そして私は、その先生から直接、人相学を学ぶことにしました。

いくつかの特徴を組み合わせて考える

講習会にはグループLINEがありました。
オリンピックや世界陸上の選手の写真を見ながら、
「この人には、こういう特徴があるんじゃないか」
と受講者同士で意見を出し合うこともありました。

顔の一か所だけを見るのではなく、2つ、3つの特徴を組み合わせて、
「総合すると、こういう傾向があるんじゃないか」
と、自分なりに仮説を立ててみる。

それをグループLINEで出すと、「どこを見て、そう考えたの?」と聞かれることもありました。

そこで、「ここと、ここの特徴を組み合わせて、こう読みました」と、自分なりの根拠を説明する。
ほかの受講者の見方を聞いて、「そういう捉え方もあるのか」と思うこともありました。

読み解きに迷ったところは、先生に直接聞きました。
すると、自分とは違う解釈の仕方を教えてもらうこともあります。
そうやって少しずつ、自分なりの読み方を身につけていきました。

その中で先生から教わったのが、長所と短所は紙一重
ということでした。

弱点だけで終わらせなくていい
たとえば先ほどの、「視野が広いから、判断が遅くなりやすい」
という特徴。
見方を変えれば、「いろいろな情報を集めて、そこから推論を立てる」
とも言えます。

また私は、人の話を聞くことにも比較的向いていると言われました。
振り返ってみると、これまで人の話を聞いたり、相談に乗ったりする機会は何度もありました。
職場でも、部下から「ちょっといいですか」
と机まで来られて、相談を受けることがよくありました。

それまでは特別なことだとは思っていませんでした。
でも、「これは自分に合っていることなのかもしれない」
と、少し違う角度から見るようになりました。

人相学で、自分を決めたいわけではない

もちろん、人相を見て、「あなたはこういう人です」
と決めつけたいわけではありません。

自分には自分の特徴がある。
相手には相手の特徴がある。
そこには、それまでの経験や価値観の違いもある。

実際、同じ場面を見ていても、あっという間に判断して動き出す人がいます。
私からすると、
「え、そのまま進んで大丈夫なの?」と思うくらいのスピードです。

でも後から振り返ると、その行動力のおかげで物事が前に進んでいたりする。
同じものを見ていても、こんなに動き方が違うんだな。

だから、
「相手が悪い」
「自分が悪い」
だけではなく、

「そもそも見えているものが違うのかもしれない」
と考える材料にもなりました。

そして、まずは自分自身について、
「自分には、こういう特徴もあるのかもしれない」
と見る角度を一つ増やしてみる。

弱点だと思っていたものにも、別の面があるかもしれない。
自分では気づいていなかった強みがあるかもしれない。

私にとって人相学は、そんなふうに自分を知るための入り口の一つになっています。

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時野なおし


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