① はじめに
「プロンプトって何?」
「ChatGPTを使うには、難しい命令文を書かないといけないの?」
「普通に話しかけるだけではダメなの?」
「同じAIを使っているのに、どうして人によって回答の質が違うんだろう?」
こんな疑問を持ったことはありませんか。
前回の記事では「生成AIを仕事でどう使う?初心者向け活用例10選」というテーマで、メールや要約、会議整理など、生成AIを仕事に取り入れる方法をご紹介しました。
「使い道は分かった。でも、AIにどうお願いすればいいの?」
今回はこの疑問に答えるため、「AIに何を頼むか」から一歩進んで、「AIにどう伝えるか」を一緒に見ていきましょう。
② そもそも「プロンプト」って何?
プロンプトとは、生成AIに入力する質問・お願い・指示などの文章のことです。
たとえば、
- 「今日の夕飯を考えて」
- 「この文章を短くして」
- 「旅行プランを考えて」
これらもすべてプロンプトです。
「プロンプト」と聞くと、なんだか難しいプログラミング言語のように感じるかもしれません。でも実際は、あなたが普段AIに話しかけている言葉、それ自体がプロンプトなのです。
③ 難しいプロンプトを書かないとダメ?
結論から言うと、最初から難しいプロンプトを書く必要はありません。
今の生成AIは、自然な文章で十分に指示を理解してくれます。
まずは普通にお願いしてみて、
- 「もう少し短くして」
- 「もっとやさしく」
- 「具体例を入れて」
- 「箇条書きにして」
と、あとから追加でお願いするだけでも十分に活用できます。
「プロンプトを勉強しないとAIを使えない」ということはありませんので、安心してください。
④ なぜプロンプトによって回答が変わるの?
これは、人間同士の仕事の依頼に置き換えると分かりやすくなります。
上司から「資料作って」とだけ言われた場合と、「明日の会議で新商品の特徴を説明するため、営業担当者向けに5分程度で説明できる資料の構成を考えて」と言われた場合を比べてみましょう。
後者のほうが、何を作ればいいかイメージしやすいはずです。
生成AIも同じで、情報が具体的なほど、目的に合った回答を作りやすくなります。
ただし、具体的に書けば必ず正しい回答が返ってくるというわけではありません。あくまで「回答の質が上がりやすくなる」というイメージで捉えてください。
⑤ 初心者が覚えたい4つの基本
前回の記事でも少し触れましたが、プロンプトを考えるときに意識したい基本は次の4つです。
**1. 何をしてほしいか**
例:「文章を書いて」「要約して」「アイデアを考えて」
**2. 誰向けなのか**
例:「AI初心者向け」「取引先向け」「小学生向け」
**3. 条件**
例:「300文字程度」「専門用語を使わない」「丁寧な文章」
**4. どんな形で答えてほしいか**
例:「箇条書き」「3つにまとめる」「タイトル+本文」
この4つを毎回すべて書く必要はありません。必要なものだけ、思いついた範囲で追加すれば十分です。
⑥ 曖昧な指示と具体的な指示を比べてみよう
実際にBefore/Afterで見てみましょう。
**例1:メール**
Before「メールを書いて」
After「取引先へ打ち合わせのお礼メールを書いてください。丁寧ですが堅すぎない文章で、200文字程度にしてください。」
**例2:アイデア**
Before「ブログのアイデアを考えて」
After「生成AI初心者向けのブログテーマを5つ考えてください。専門知識がなくても理解できる内容にしてください。」
**例3:要約**
Before「要約して」
After「以下の文章を、初めて読む人にも分かるよう重要ポイント3つにまとめてください。」
これらの例の目的は、完成された高度なプロンプトを覚えてもらうことではありません。少し情報を足すだけで、AIの回答が変わることを体感していただくことです。
⑦ 最初から完璧なプロンプトを作らなくていい
ここは特に強調したいポイントです。
生成AIは会話ができるため、次のように少しずつ改善していけます。
1回目「ブログのタイトルを考えて」
2回目「もう少し初心者向けにして」
3回目「検索されそうなキーワードも入れて」
4回目「5案ください」
一発で完璧な回答を引き出そうとする必要はありません。
むしろ「AIと一緒に答えを育てる」という感覚を持つと、気持ちがぐっと楽になります。
⑧ AIに伝わらなかったときはどうする?
思った回答が返ってこなかったときは、次のような対処法があります。
- 何が違うか伝える
- 足りない条件を追加する
- 例を示す
- 短く/詳しくなど方向を指定する
- AIに質問させる
最後の「AIに質問させる」は、「必要な情報が足りなければ、回答する前に質問してください」と一言添えるだけでも効果があります。
⑨ 「役割を与える」って必要?
ネット上では「あなたはプロの○○です」というプロンプトをよく見かけます。
役割や立場を伝えることで、回答の方向性を指定しやすくなる場合があります。
例:「あなたは初心者向けに説明するパソコン講師です。生成AIについて説明してください。」
ただし、役割を書けばAIの能力そのものが劇的に上がる、必ず専門家レベルの回答になる、というわけではありません。
役割指定は、回答の方向性や文体、視点を伝えるための一つの方法として捉えておくとよいでしょう。
⑩ 長いプロンプトほど良いの?
長ければ長いほど良い、というわけではありません。大切なのは、必要な情報がきちんと伝わることです。
条件を詰め込みすぎると、
- 自分自身が管理しにくくなる
- 条件同士が矛盾してしまう
- 何を優先すればいいか分かりにくくなる
といったことが起こりがちです。
短くても目的が明確であれば、それで十分です。
⑪ プロンプトを書くときの注意点
最後に、基本的な注意点もお伝えしておきます。
- 個人情報を不用意に入力しない
- 会社の機密情報を入力しない
- AIの回答をそのまま信用しない
- 事実や数字は確認する
- 重要な判断をAIだけに任せない
- 会社で利用する場合は社内ルールを確認する
なお、各AIサービスの具体的な機能やデータの取り扱いは変わることがあるため、気になる場合は2026年8月時点の公式情報もあわせてご確認ください。
⑫ 仕事で使うプロンプトは「自分用」にすると便利
ここまでの基本は、日常のちょっとした場面でも十分役立ちます。
一方で、仕事でAIを使う場合は、職種や仕事内容、相手、会社やブランドの文章トーン、毎回行う作業、必要な出力形式、守らなければならない条件などが、人によって大きく異なります。
そのため、仕事で繰り返し同じような作業にAIを使う場合は、「自分の業務に合わせてプロンプトを設計する」という考え方があります。
一般的なプロンプトと、自分専用に調整されたプロンプトとでは、使い勝手が変わってくるということだけ、頭の片隅に置いていただければと思います。
⑬ まとめ
プロンプトは、難しい呪文ではありません。
初心者の方は、まず
- 何をしてほしいか
- 誰向けか
- 条件
- 回答形式
を、必要に応じて伝えることから始めてみてください。
そして、一度で完成させようとせず、会話しながら直していく。それだけで十分です。
次にChatGPTなどを開いたら、いつもの質問に条件を1つだけ追加してみてください。それだけで、AIの回答がどう変わるか、きっと実感できるはずです。
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プロンプトの基本が分かっても、「自分の仕事にどう当てはめればいいか分からない」と感じる方も多いのではないでしょうか。
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