① はじめに
「ChatGPTに質問したけど、なんか欲しい答えと違う」
「間違ってはいないけど、使いたい回答じゃない」
「もっと具体的に答えてほしいのに、内容がふわっとしている」
「何度質問してもうまく伝わらない」
こんな経験、ありませんか。
前回の記事「プロンプトって何?生成AI初心者向けに『伝わる指示』の基本をやさしく解説」では、プロンプトの基本についてご紹介しました。今回はその続編として、実際にプロンプトを書いてみたけれど思った回答が出なかったとき、どうすればいいのかという実践編をお届けします。
前回の記事を読んでいなくても大丈夫です。この記事だけで理解できる内容になっています。
② ChatGPTにうまく伝わらないのは珍しくない
最初から理想通りの回答が返ってくるとは限りません。これは特別なことではなく、多くの人が経験することです。
生成AIは、入力された情報をもとに回答を作ります。そのため、
- 目的
- 前提
- 対象者
- 条件
- 欲しい回答の形式
といった情報が伝わっていないと、AI側がある程度推測して回答することになります。
その結果、「間違ってはいないけれど、自分が欲しかったものとは違う」という回答になることがあるのです。これはあなたのプロンプトの才能がないからではなく、ただ情報が足りていないだけ、というケースがほとんどです。
③ 原因①「何をしてほしいか」が曖昧
たとえば、
「文章を作って」
とだけお願いすると、
- 何の文章か
- 誰向けか
- 何の目的か
- どのくらいの長さか
がAIには分かりません。
これを、
「取引先へのお礼メールを書いてください」
のように、何をしてほしいのかを一言添えるだけで、回答はぐっと使いやすくなります。
④ 原因②「誰向けなのか」が分からない
同じテーマでも、小学生向け・初心者向け・専門家向け・お客様向け・上司向けでは、適切な説明の仕方が変わります。
たとえば、
「NISAについて説明して」
だけでは、どのレベルの説明が欲しいのか分かりません。
「投資を始めたばかりの人向けにNISAについて説明して」
と伝えるだけで、回答の分かりやすさが変わってきます。
⑤ 原因③ 条件が足りない
文字数、文章の雰囲気、含めてほしい内容など、条件があるならAIにも伝えましょう。
「商品紹介文を書いて」
よりも、
「300文字程度で、初心者にも分かりやすい商品紹介文を書いて」
の方が、欲しい回答に近づきます。
⑥ 原因④ 欲しい回答の形を伝えていない
同じ情報でも、文章・箇条書き・比較・手順・チェックリストなど、欲しい形式によって使いやすさが変わります。
「ポイントを3つの箇条書きでまとめてください」
のように、回答の形も伝えてみましょう。
⑦ 原因⑤ 一度の質問で完成させようとしている
ここがこの記事でいちばんお伝えしたいポイントです。
ChatGPTなどの生成AIは会話形式で使えます。つまり、一度で完璧なプロンプトを書く必要はありません。
たとえば、
1回目「ブログタイトルを考えて」
→「もう少し初心者向けにして」
→「短くして」
→「5案ください」
このように、少しずつ修正していくことができます。「一発で正解を出させる」のではなく、「AIと会話しながら近づけていく」というイメージを持つと、気持ちがぐっと楽になります。
⑧ 「違う」と思ったら、どこが違うか伝える
回答が違うと感じたとき、「違う」「もう一回」とだけ伝えても、AIはどこを直せばいいのか分かりません。
- 少し長いので短くしてください
- もっと初心者向けにしてください
- 専門用語を減らしてください
- 具体例を追加してください
のように、「どこを変えてほしいか」を伝えると、回答が改善されやすくなります。
⑨ AIに質問してもらう方法もある
自分でも何を伝えればいいか分からないときもありますよね。そんなときは、
「回答するために必要な情報があれば、先に質問してください」
と伝えるという方法もあります。AI側から必要な情報を聞き返してもらうことで、伝え漏れを防ぐことができます。
⑩ 回答が詳しすぎる・長すぎる場合
回答が長すぎると感じたときも、追加の指示で調整できます。
- 半分くらいの長さにしてください
- 重要なところだけ3つにしてください
- 初心者向けに簡潔にしてください
逆に情報が足りないと感じたら、
- もう少し詳しく
- 具体例を追加して
とお願いすれば大丈夫です。
⑪ それでもうまくいかないときは?
いろいろ試してもうまくいかないときは、次のような基本に戻ってみましょう。
- 目的をもう一度確認する
- 必要な条件を整理する
- 一度にお願いする内容を減らす
- 別の言い方で説明してみる
- 参考になる例を伝える
一気に完璧を目指さず、少しずつ整理していくことが近道です。
⑫ 「良い回答」と「正しい回答」は別
とても大切なポイントです。
プロンプトを改善すると、「自分の目的に合った回答」は得やすくなります。ただし、「プロンプトが良ければAIが必ず正しい情報を答える」というわけではありません。
生成AIは、もっともらしい間違った情報を答えることがあります。数字や制度、法律、医療、金融、最新情報など、重要な内容については、必ず一次情報や公式情報で確認するようにしましょう。
⑬ 仕事で繰り返し使うなら「毎回直す」から一歩先へ
日常的な質問であれば、ここまでご紹介したように会話しながら修正していけば十分です。
一方で、毎日作るメール、定期的な文章作成、SNS投稿、ブログ、資料作成、情報整理など、仕事で同じような作業を繰り返す場合は、毎回ゼロから指示を考えるのは少し大変に感じるかもしれません。
そんなときは、自分の仕事や目的に合わせたプロンプトをあらかじめ用意しておく、という方法もあります。日常のちょっとした質問と、仕事で繰り返し使う指示とでは、必要な準備の度合いが変わってくるということだけ、頭の片隅に置いておいてもらえたらと思います。
⑭ まとめ
ChatGPTにうまく伝わらなかったとしても、「自分にはAIが向いていない」と考える必要はありません。
基本は、
- 目的を伝える
- 誰向けか伝える
- 条件を追加する
- 回答形式を指定する
- 会話しながら修正する
の5つです。
なお、ここではChatGPTを中心にご紹介しましたが、ClaudeやGeminiなど他の生成AIでも、基本的な考え方は同じように応用できます。
次に思った回答が返ってこなかったら、新しく質問し直す前に「ここをこう変えて」と一言追加してみてください。それだけで、回答はぐっと近づいてきます。
ここまでの方法で、日常的な質問はぐっと使いやすくなるはずです。ただ、仕事で毎日同じような文章を作っている方にとっては、「毎回一から条件を考えるのはちょっと大変」と感じることもあるかもしれません。
AIコンシェルジュでは、あなたの仕事内容や目的、普段の作業に合わせて、使いやすいプロンプト作りをお手伝いしています。「自分の仕事専用に整えたい」と思ったときは、お気軽にご相談ください。