「会社に縛られず、これからは自分らしく生きたい」
そう語って早期退職した知人がいました。
自分の好きなように時間を使いたい、やりたいことだけをやって生きていきたい——。一見すると前向きで、羨ましくも思える決断に見えました。
しかし、しばらくして彼の様子を見てみると、思い描いていた理想とは全く違う現実に直面していました。
彼は「自分らしく生きる」という言葉の本当の意味を、大きく履き違えてしまっていたのです。
「自分らしく」を「わがまま」と勘違いした代償
彼の言っていた「自分らしさ」とは、端的に言えば「自分の思うがまま、わがままに振る舞うこと」でした。
相手の都合や気持ちを考えず、自分の意見だけを通す
嫌なことや面倒な人間関係からは一切目を背け、自分勝手に振る舞う
周りへの配慮や感謝を忘れ、「これが俺の生き方だから」と開き直る
「自分らしさ」という言葉を都合の良い盾にして自分勝手に振る舞い続けた結果、どうなったか。
当たり前ですが、これまで親しくしていた友人や知人たちは、一人、また一人と静かに彼の元を去っていきました。
気づけば周囲には誰もいなくなり、孤独に苛まれ、「こんなはずじゃなかった」とつまらない人生を嘆くようになってしまったのです。
「自分らしく生きる」の本当の意味とは?
彼の姿を見ていて、私は強く思いました。
「自分らしく生きる」というのは、決して周りを無視してわがままに生きることではないはずです。
本当の意味での「自分らしく生きる」とは、自分の軸(価値観や信念)をしっかり持ちながらも、周囲への配慮や感謝を忘れずに調和して生きることなのではないでしょうか。
自分の足でしっかり立ちつつも、関わる相手への思いやりを持つ。だからこそ周りからも信頼され、結果として心地よい人間関係の中で「自分らしい選択」をし続けられるのだと思います。
勘違いの罠に陥らないために
「自分らしく生きる」「好きなことで生きていく」という言葉が溢れる現代だからこそ、一歩間違えると「単なる身勝手」になってしまう危険があります。
私自身も、過去に病気や仕事の失敗、どん底を経験してきたからこそ、「周りの人の支えや配慮があってこそ、今の自分がある」ということを痛感しています。あの時、変な勘違いをして周りを見失わなくて本当に良かったと感じます。
自分らしさを大切にすることと、人に優しくすることは両立できます。
自分の軸を大切にしながらも、今日出会う人への配慮と感謝を忘れない。そんなしなやかで温かい生き方を、これからも目指していきたいものです。
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