こんばんは、月詠ソラです。今夜のカードは、絵だけ見ると身構えてしまう方が多いかもしれません。5人の人物が、それぞれ杖を振り上げて向かい合っている、そんな絵柄の「杖の5」です。
もしあなたが、
・「杖の5=争い・対立・混乱」と聞いて、あの人と揉め事が絶えない未来しか想像できずにいる
・最近ちょっとしたことで突っかかってくるようになった気がして、理由が分からないまま身構えている
・何かにつけて張り合うような空気になり、この関係はぶつかり合ってばかりなのかと不安になっている
・喧嘩をしても、何と戦っているのか、そもそも自分に対してなのかさえ、はっきりしない
どれか一つでも心当たりがあるなら、今夜はこのカードの絵を、細かいところまで一緒に見ていきましょう。杖のスートを開くのは、36弾「杖の3」・41弾「杖の8」・44弾「杖の9」に続いて、これで4回目になります。
■「杖の5」は恋愛占いで「争い・対立・混乱」と誤解されやすいカードです
タロットの「杖の5」は、5人の人物が、それぞれ1本ずつ杖を手にして、思い思いの方向に振り上げている絵柄です。杖同士が斜めに交差し、いまにも打ち合いが始まりそうな構図から、恋愛占いでは「これが出たら衝突が起きる」「対立や混乱を避けられない」と、ぶつかり合う関係そのものを予告するカードとして読まれがちです。けれど、5本の杖がそれぞれ誰に向かって振られているのかを一人ずつ目で追ってみると、単純な取っ組み合いとは言えない絵柄が見えてきます。
■「杖の5」が伝えているのは、決着のつく衝突ではありません
よく見ると、5人のうち誰ひとりとして、正面から誰かと杖を打ち合わせてはいません。杖の角度も、体の向きも、視線の先も、みんなばらばらです。誰かを狙って振り下ろしているというより、それぞれが自分の杖の重さや振り方を、めいめい確かめているだけのようにも見えます。表情にも、怒りや敵意というより、何かに集中しているときの硬さの方が近いかもしれません。突っかかってくるように感じるあの人にも、これと近い構図が視えることがあります。関係そのものへの敵意というより、あの人自身が自分の中の別の課題と、まだ噛み合わないまま向き合っている最中、ということが少なくありません。同じ場所にいながら、まだ互いのリズムを合わせる番が回ってきていないだけ、というくらいの状態です。
■ 杖の5が示す、二つの色
杖の5を鑑定していると、こんな2色が重なって視えることが多いです(どちらか一方だけというわけではありません)。
焦茶色(こげちゃいろ)が、あの人の杖を握る手に滲んでいるとき
黒に近いくらい深く焼けた茶色です。檜皮色の「まだ馴染みきっていない摩擦、こなれていない熱」とも、弁柄色の「土台にある根深い情熱」とも違って、焦茶色はあなたに向けられた熱ではありません。自分自身の中だけで燃えている、内向きの熱中を表す色です。ぶつけているように見えて、実際には自分の課題とだけ格闘している最中、というときにこの色が視えることがあります。
錆浅葱(さびあさぎ)が、二人の間に薄く漂っているとき
くすんだ、灰みがかった青緑です。浅葱の「涼やかで少し距離のある親しみ」とも、白群の「周りの都合や忙しさが立てている揺れ」とも違って、錆浅葱は対立でも外的な事情でもありません。それぞれのリズムがまだ噛み合っていない、テンポそのもののずれを表す色です。
■ 実際の鑑定で視てきたパターン
杖の5のご相談で、実際に何度も行き当たる場面があります。「些細なことで急に強い言葉が返ってくるようになった。でも、私に対して怒っているというより、その日別のことでずっとイライラしていたものを、たまたま近くにいた私にぶつけているような気がする」というお声を、実際のご相談でいただくことがあります。杖の3のように一人が遠くの船を見守っているのでも、杖の8のように人物が誰も描かれず力だけが動いているのでも、杖の9のように傷を負いながらその場に踏みとどまっているのでもなく、杖の5は5人という、杖のスートで初めて複数の人物が同じ場に描かれたカードです。それぞれが自分の杖とだけ向き合い、互いの目を見ていません。前回視た剣の5が、勝ち負けという物差しがすでにその場に持ち込まれてしまった後の景色だったのに対して、杖の5はまだそこまで進んでおらず、そもそも同じ試合が始まってすらいない、というくらいの違いがあります。あの人の中でいまぶつかっているのは、あなたとの間の何かというより、あの人自身が抱えているいくつかの都合や事情なのかもしれません。
■ 今夜のあなたへ
「杖の5」は、争いや対立を約束するカードではありません。5本の杖は、まだどれも誰かを打ち負かしてはいませんし、そもそも同じ的を狙ってすらいないようです。強い言葉や硬い態度に触れたとき、それをまるごと自分への攻撃として受け止めるより、あの人がいまどんな杖と格闘しているところなのか、少し引いた場所から眺めてみる。それだけで、今夜は肩の力が抜けることがあるかもしれません。噛み合わない今のリズムがいつ合わさるかを急がず、いまはただ、それぞれが自分の杖を振っている最中なのだと思って眺めておくくらいで、十分なのだと思います。
杖のスートもこれで4枚目、小アルカナ全体では16枚目になりました。既存のスートは剣・聖杯・杖・金貨がそれぞれ4本ずつと、ちょうど揃うところまで来ました。次は同じ杖のスートで数字を一つ進めて、まだ触れていない「杖の6」を手に取ってみようと思います。
もし今、杖の5があなたに示した意味を、もっと詳しく知りたくなったら。
それぞれが握っている杖の重さや向きまで、もう少し細かく視ていきたいという方には、鑑定メニュー「彼の気持ち・この先の流れを完全版で視ます」をご用意しています。ひとつのお悩みをいくつもの角度から3,000字級まで展開する、もっと詳しく知りたい人向けの完全版です(通常メニューより価格は上がりますが、その分じっくり時間をかけて視ています)。ご購入から2日以内、多くの場合はもっと早くにお届けしています。
それぞれの杖が、いつかちゃんと噛み合う一打になりますように。
月詠ソラ