小さな箱の中に秘密の庭を作る方法

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こんにちは!林田二郎です。

手のひらにすっぽりと収まるような、ガラス製の小さな箱を見たことはないでしょうか。その蓋をそっと開けると、中には本物そっくりの小さな家や、瑞々しい苔、そして細かな砂利で舗装された小さな道が広がっている。まるで、そこだけ別の時間が流れているかのような、不思議な世界が閉じ込められている箱のことです。

私が日々手がけているウェブサイトの制作という仕事は、インターネットという広大な世界の片隅に、そんな自分たちだけの秘密の庭を作る作業によく似ています。

画面の中に並ぶ言葉や写真、そして四角いボタンの数々は、庭に植えられた個性豊かな植物や、配置されたベンチのようなものです。どれもが特別な役割を持ち、訪れた人を喜ばせるためにそこに置かれています。しかし、ただお気に入りのものを取り留めもなく並べただけでは、歩くための道が塞がれ、訪れた人は奥へ進むのを諦めてしまうでしょう。だからこそ、どの順番で景色を眺め、どこで腰を下ろして一呼吸置くのかという、親切な遊歩道が必要になります。

ウェブサイトにおける遊歩道とは、ユーザーの視線を自然に導く画面の構成のことであり、庭を彩る豊かな色彩は、文字の配置や余白の広さにあたります。

私はデザインを組み立てるとき、いつも頭の中で一人の大切な友人を思い浮かべます。その人が庭の入り口に立った瞬間に、どんな風に心が動き、どの花の美しさに目を奪われるのか。まるで庭師が植物の成長する方向を優しく整えるように、ユーザーの心の動きを想像しながら、画面の要素を一画素単位で配置していきます。ある場所では立ち止まって言葉をじっくりと味わってもらい、またある場所では流れるように次の景色へと進んでもらう。その目に見えない心地よさを整えることが、私の役割です。

全体の印象を左右する色や形の選定も、ただの流行りだけで決めることはありません。その企業が持つ独自の空気感や、大切にしている歴史をじっくりと見つめ、それを一番引き立てる表現を探し出します。

十年という時間をこのデザインの世界で過ごしてきましたが、技術がどれほど進化しても、このものづくりの本質が変わることはありません。それは、画面の向こう側にいるのも、そしてその画面を作っているのも、どこまでも人間だということです。

デザインとは、誰かの頭の中にある大切な宝物を、他の誰にでも届く言葉や形へと翻訳する作業です。デジタルの世界に浮かぶ四角い画面の中に、どれだけ温かい人間の気配と、迷わない親切さを残せるか。訪れた人が自然と笑顔になり、また立ち寄りたくなる。そんな新しくて心地よい小さな庭を、これからも一つずつ丁寧に、この世界に広げていきたいと思っています。
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