ブランドカラーは、そのまま使うな。資料で使える配色に変換する方法

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ビジネス・マーケティング
ブランドカラーを決めれば、資料デザインは整う。

そう思っていたのですが、実際には少し違いました。

ブランドカラーをタイトルにも、グラフにも、表にも、強調にも使ってしまうと、かえって「どこが大事なのか」が分かりにくくなることがあります。

たとえば、会社やサービスのブランドカラーが青だとします。

見出しも青。
グラフの棒も青。
表のヘッダーも青。
強調したい数字も青。
ボタンも青。

一見、ブランドカラーをしっかり使っているように見えます。

でも、すべてが同じように目立つと、読者はどこから見ればいいのか分からなくなります。

ブランドカラーは、ただ塗る色ではなく、資料全体の配色を設計するための起点として考えた方がよさそうです。

今回は、架空ブランド「NEXA LEARN」を作り、
Deep Teal #0F766E というブランドカラーから、
スライド・グラフ・表に使える配色ルールを設計してみました。
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架空ブランドのロゴとカラー

ブランドカラーは、決めただけでは使えない

今回の架空ブランドは、AI学習サービスをイメージしました。

ブランド名は、NEXA LEARN
ブランドカラーは、Deep Teal #0F766E

ティールは、青と緑の中間にある色です。
青の持つ信頼感・知性と、緑の持つ安心感・清潔感を同時に出しやすい色です。

そのため、今回のブランドイメージは以下のように設定しました。

・信頼感がある
・清潔感がある
・知的で落ち着いている
・先進性がある
・教育・AI・SaaS系に使いやすい

ここまでは、ブランドカラーとして悪くありません。

ただし問題はここからです。

この #0F766E を、そのまま資料のあらゆる場所に使うと、資料全体が単調になります。

タイトルもティール。
見出しもティール。
グラフもティール。
表もティール。
ボタンもティール。

これでは、どれが主役なのか分かりにくい。

だから、ブランドカラーはそのまま全部に使うのではなく、役割ごとに分解する必要があります。

配色は“なんとなく”ではなく、根拠で決める

配色を考えるとき、つい「この色とこの色は相性がよさそう」と感覚で選びたくなります。

もちろん、感覚も大事です。

でも、資料に使う色は、見た目の好みだけで決めると危ない。

なぜなら資料では、色が情報の意味を持つからです。

この色は主役。
この色は補助。
この色は注意。
この色は背景。
この色は罫線。

こうした役割が曖昧になると、見た目はきれいでも、情報が伝わりにくくなります。

今回の配色設計では、次の4つを根拠にしました。

1. ブランド整合性
2. 可読性・コントラスト
3. 情報設計上の役割
4. グラフ・表での運用ルール

まず、ブランド整合性

ブランドカラー #0F766E は、資料全体の印象を決める中心色です。
そのため、この色は主役色として使います。

ただし、見出しや本文、背景、罫線、補助データまで同じ色にすると、視線の優先順位が弱くなります。

そこで、ブランドカラーを起点にしながら、役割ごとに明度や彩度を調整します。

次に、可読性

資料では、色がきれいでも読みにくければ意味がありません。
特に文字色と背景色の関係は重要です。

WCAG 2.1では、通常サイズの文字は背景とのコントラスト比を少なくとも 4.5:1、大きな文字は 3:1 以上にすることが示されています。

そのため、本文色や見出し色は、背景に対して十分なコントラストが出るように調整します。

3つ目は、情報設計上の役割です。

色は「きれいに見せるため」ではなく、情報の優先順位を作るために使います。

一番見せたい情報には主役色。
比較対象には補助色。
背景には淡い色。
注意には赤。
CTAや注目ポイントにはオレンジ。

このように役割を分けることで、読者は色を見ただけで情報の意味を判断しやすくなります。

4つ目は、グラフ・表での運用ルールです。

同じブランドカラーでも、スライド見出しと棒グラフとKPI表では使い方が違います。

だから、ブランドカラーを「資料で使える配色」にするには、色そのものではなく、使い方のルールまで決める必要があります。

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ブランドカラーを基本カラーに分解する

今回、Deep Teal #0F766E を起点に、以下の基本カラーを設計しました。

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ここで大事なのは、ブランドカラーを増殖させていないことです。

「全部ティールで統一する」のではなく、ブランドカラーを中心に置きながら、資料に必要な役割へ展開しています。

たとえば、主役色はブランドカラーそのもの。
見出し色は、可読性を上げるために少し暗いティール。
背景色は、清潔感を出すためにほぼ白に近い淡色。
カード背景色は、ブランド感を薄く残した淡いティール。
補助色は、主役色を邪魔しない低彩度の色。
強調色は、ティールと役割が混ざらないオレンジ。
注意色は、警告や異常値に限定する赤。

こうすると、色の意味が整理されます。

ブランドカラーは、単なる1色ではなく、資料全体の色を設計する起点になります。

スライドにすると、色の役割が見える

色の一覧だけを見ても、実際にどう使えばいいのかは分かりにくい。

そこで、基本カラーを実際のスライド例に落とし込みました。

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想定したのは、AI学習サービスの事業ハイライトスライドです。

スライドには、タイトル、本文、KPIカード、棒グラフ、トピックス、CTAボタン、注意文を入れました。

それぞれの色の使い方は、次のようになります。

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このようにスライド見本にすると、色の役割が一気に分かりやすくなります。

「この色はどこに使うのか」
「どの色は目立たせるのか」
「どの色は背景に回すのか」

これが見えるようになります。

逆に言えば、ブランドカラーをそのまま全部に使ってしまうと、こうした役割分担ができなくなります。

ブランドカラーは主役に。
背景と罫線は淡く。
強調色と注意色は必要な場所だけ。

このくらい絞ると、資料全体がかなり見やすくなります。

次に、グラフ変換表へ展開する

スライド全体の基本カラーが決まったら、次はグラフへの展開です。

資料で使うグラフには、さまざまな種類があります。

・縦棒グラフ
・横棒グラフ
・折れ線グラフ
・複合グラフ
・100%積み上げ棒グラフ
・ドーナツグラフ
・散布図
・KPI表

これらすべてで大事なのは、色を増やすことではありません。

むしろ、主役以外を静かにすることです。

たとえば、縦棒グラフなら、すべての棒をブランドカラーにする必要はありません。
一番見せたい棒だけを主役色にし、比較対象は補助色にします。

横棒グラフなら、ランキング1位や最重要項目だけを主役色にします。

折れ線グラフなら、主系列だけを主役色にし、比較系列は補助色にします。

散布図なら、通常点は控えめにし、外れ値や注目点だけを注意色にします。

KPI表なら、ヘッダーや重要セルに主役色を使い、増減値には強調色や注意色を使います。

今回のグラフ変換表では、以下のように使い分けました。

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グラフ配色で大事なのは、派手にすることではありません。

どこを見るべきかを、色で迷わせないことです。

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使ってみて分かったこと

今回、ブランドカラー1色からスライド配色とグラフ配色を作ってみて、いくつか分かったことがあります。

まず、ブランドカラーは使えば使うほどブランドらしくなるわけではありません。

むしろ、使う場所を絞るほど強くなります。

全部にブランドカラーを使うと、主役が消えます。
でも、見出しや重要数値、グラフの主系列に絞ると、その色が「見るべき場所」として機能します。

次に、背景や罫線は淡い方がいい。

背景や罫線が強すぎると、主役データよりも構造線の方が目立ってしまいます。
罫線やグリッドは、読み取りを助けるためのものです。
主役になってはいけません。

そして、強調色と注意色は分けた方がいい。

今回でいうと、オレンジ #F59E0B はCTAや注目ポイント。
赤 #DC2626 は警告や異常値。

この2つを混ぜると、読者は「これは前向きな強調なのか、注意すべき情報なのか」を判断しづらくなります。

だから、通常の注目はオレンジ。
警告やリスクは赤。

このように意味を分けると、資料の読みやすさが上がります。

最後に、色は「きれいさ」より「役割」で決めた方が再利用しやすい。

一度、主役色・補助色・背景色・強調色・注意色の役割を決めておくと、別のスライドやグラフにも展開しやすくなります。

色を毎回考えるのではなく、
色の使い方をルール化する。

これが、ブランドカラーから資料配色を作る一番の価値だと思います。

「ブランドカラーを抽出・配色設計」するGPTs

今回やったように、
ブランドカラーを抽出・配色設計するためのGPTsも作りました。
下記で販売しておりますので、ぜひご活用ください。

まとめ:色を決めるのではなく、色の役割を決める
ブランドカラーは、決めただけでは資料に使えません。

大事なのは、その色をどこに使い、どこには使わないかを決めることです。

ブランドカラーは主役に。
背景は淡く。
罫線は静かに。
補助データは控えめに。
強調色と注意色は意味を分ける。

そうやって色に役割を与えると、ブランドカラーは単なる色ではなく、資料全体を整える設計図になります。

色を増やすのではなく、色に役割を与える。

資料づくりにおける配色設計は、たぶんここから始まるのだと思います。
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