「ボタンの色を変えてみたのですが、問い合わせは増えませんでした」——LPの改善についてご相談をいただくとき、よく出てくるお話です。押されない原因がボタンそのものにあることは、実はあまり多くありません。たいていは、読み手が取りたい行動と、ページに用意されている出口がずれています。そしてこのずれ方は、業種によってかなりはっきり分かれます。
■同じ問い合わせボタンでも、手前にある迷いが違う
問い合わせボタンは、どの業種のLPにも同じ顔で置かれています。ところが読み手がその手前で何に迷っているかは、業種ごとに違います。すぐ来てほしいのか、話だけ先に聞きたいのか、社内で回覧してから決めたいのか。迷いの中身が違えば、用意すべき出口も変わります。
導線設計というと大掛かりに聞こえますが、やることは単純です。そのページを読み終えた人が次に何をしたいと思うかを業種の実態に合わせて想像し、その行動をいちばん押しやすい場所に置く。それだけです。以下、業種ごとに見落とされやすい点を挙げていきます。
■来店型:ゴールは問い合わせではなく予約
整骨院、美容院、飲食店のように来店していただく業態では、読み手のゴールは問い合わせではありません。行く日を決めることです。それなのに出口が問い合わせフォームだけだと、日程を決めたいだけの人にメールを書かせることになります。ここで落ちる方はかなりいます。
もう一つ見落とされやすいのが、予約の前に確認したい情報が別にあることです。今日はやっているのか、駐車場はあるのか、どのくらい時間がかかるのか。営業時間、所在地、目安の料金、そして予約ボタン。この4つがスマホで一画面に収まっているかどうかで、取りこぼしはずいぶん変わります。
■相談型:最初の一歩をどれだけ軽くできるか
士業やコンサルティングのように相談から始まる業態では、読み手は「相談した時点で費用が発生するのではないか」を最も気にしています。ここが解けていないページは、内容がどれだけ充実していても手前で止まります。
有効なのは、出口の重さを分けることです。正式なご依頼の前に、料金の目安だけ見る、質問を一つだけ送る、といった軽い入口を置いておく。「初回のご相談は無料です」「その場でお申し込みいただく必要はありません」と書いてあるかどうかで、同じ内容のページでも反応が変わります。
■BtoB:読む人と決める人が違う
企業向けのサービスでは、最初にページを見つけた担当者と、最終的に判断する上長が別人であることがほとんどです。担当者はページを読んで納得しても、その場では決められません。次にやることは、社内で説明することです。
ですから、この業種で本当に効く出口は「渡せるもの」です。概要をまとめた資料、料金表、導入までの流れを1枚にしたもの。担当者がそのまま転送できる形になっていると話が進みます。逆に、フォームからの問い合わせしか出口がないページは、社内検討の段階でいったん忘れられます。
■教室・スクール:申し込む人と通う人が別のことがある
子ども向けの教室では、ページを読むのは保護者で、通うのはお子さまです。この二人が知りたいことは違います。保護者は費用、送り迎え、振替の可否、続けられそうかを見ています。ところがページ全体が、通う本人に向けた楽しさの説明で埋まっていることがあります。
出口についても同じで、いきなり入会申し込みだけを置くと重すぎます。体験に申し込む、見学だけする、資料をもらう。段階を分けておくと、迷っている保護者が最初の一歩を踏み出せます。体験の申し込みが実質的なゴールになる業種は多いので、そこを最も押しやすくしておきます。
■物販:LPで売り切るのか、カートへ渡すのか
商品を売るLPで最初に決めるべきは、そのページで購入まで完結させるのか、既存のショップへ渡すのかです。ここが曖昧なまま作ると、商品説明の途中に購入ボタンとショップへのリンクが混在し、読み手がどちらを押せばいいのか分からなくなります。
渡す設計にする場合は、渡した先で迷子にしないことが大切です。ショップのトップページではなく、その商品のページへ直接つなぐ。当たり前のようですが、実際に触ってみるとトップページ止まりになっているケースは珍しくありません。公開前に、スマホで最後まで通しで試すと見つかります。
■業種を問わず見落とされるのが、終わったあとの導線
送信ボタンを押したあと、どうなるかを設計していないページはとても多いです。真っ白な画面に「送信しました」とだけ出る。読み手からすると、本当に届いたのか、いつ返事が来るのかが分かりません。ここで不安になった方は、同業他社にも同じ問い合わせを送ります。
送信完了の画面には、いつまでに返信するか、返信はどのアドレスから届くか、迷惑メールに入る可能性があること、この3つを書いておきます。あわせて自動返信メールも同じ内容にしておく。作業としては短時間で済みますが、体感はかなり変わる部分です。
■まとめ
導線設計に唯一の正解はなく、読み手が次に取りたい行動が業種ごとに違うだけです。来店型なら予約、相談型なら軽い入口、BtoBなら社内で渡せる資料、教室なら体験、物販なら商品ページへの接続。そして業種を問わず、送信後の画面まで作り切ること。
お手元のLPで出口が一つしかない、あるいは押されていない気がする、ということでしたら、ぜひご相談ください。実際にスマホで通しで拝見して、どの出口を足すと動きが出そうか、優先順位をつけてお答えします。