勝つ組織と停滞する組織。その違いをパ・リーグが教えてくれた。

勝つ組織と停滞する組織。その違いをパ・リーグが教えてくれた。

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プロ野球を見ていると、近年ますますセ・リーグとパ・リーグの違いを感じる。
もちろん戦力差の話ではない。
私が見ているのは監督の仕事である。
多くの人は監督を「勝敗の責任者」と考える。
しかし私は、監督とは組織の未来を設計する人だと思っている。
監督の仕事は大きく三つある。
野球を読む力
人を読む力
組織を動かす力
この三つが揃った時、初めてチームは強くなる。
そして私には、近年のパ・リーグの監督たちは、この三つを意識的に実践しているように見える。
一方で、セ・リーグには未だに過去の成功体験を引きずる文化が残っているように感じる。
もちろん全ての球団や監督がそうだと言いたいわけではない。
しかし試合を見ていると、ある違いが見えてくる。
それは「結果を見る」のか、「未来を読む」のかという違いである。
昨日打ったから今日も使う。
ベテランだから信じる。
実績があるから任せる。
これらは決して間違いではない。
だが、それだけでは組織は成長しない。
本当に必要なのは、
「今の状態はどうか」
「相手は何を狙っているか」
「次に何が起きるか」
を考え続けることだ。
つまり過去を管理するのではなく、未来を予測することである。
私はこれこそが監督の仕事だと思う。
野球は不確実性のゲームである。
だから監督に求められるのは正解を知ることではない。
正解のない中で最善の仮説を立てることである。
それは企業経営と全く同じだ。
市場は変化する。
人も変化する。
環境も変化する。
その中で過去の成功体験だけを頼りにする組織は、やがて時代に取り残される。
反対に、データを集め、現場を観察し、仮説を立て、修正し続ける組織は進化していく。
だから私はパ・リーグの野球に面白さを感じる。
勝つからではない。
考えているからである。
成功するか失敗するかではなく、
「なぜその判断をしたのか」が見える。
そこに知的なエンターテインメントがある。
そして私は、監督の資質は選手時代の実績とは別物だと思っている。
ホームランを打った数ではない。
球速でもない。
大切なのは、自分の力で解決してきたかではなく、人の力を引き出してきたかだ。
優秀な監督は、自分が主役にならない。
選手を主役にする。
組織を機能させる。
未来を創る。
その意味で監督とは、野球人である前に組織のリーダーなのである。
私は野球を見ているようで、実は組織を見ている。
打率や防御率を見ているようで、人材活用を見ている。
采配を見ているようで、意思決定を見ている。
だから面白い。
結局、組織の差は人の差ではない。
組織の差は、リーダーがどこを見ているかの差である。
過去を見るのか。
未来を見るのか。
プロ野球は、その違いを最も分かりやすく見せてくれる教材なのかもしれない。

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