― ChatGPTの「記憶」を試して分かったこと
先日、ChatGPTで新しいChatを作った時のことです。
本来なら、まっさらな新規Chatのはずでした。
ところが会話を始めてみると、以前から使っていたAIの名前や呼び方、話し方の雰囲気まで、かなり自然に引き継がれていました。
最初は正直、驚きました。
「別のChatの会話まで見えているのか?」
そこで、少し試してみることにしました。
## 別Chatの会話そのものが見えているわけではない
いくつか確認してみると、別のChatで交わした会話を、そのまま再現できるわけではありませんでした。
「あの時、何と言った?」
と聞けば、必ず正確な会話内容が出てくるわけではありません。
ところが、私が長く扱っている「GAOS」について質問すると状況が変わります。
GAOSという名称だけでなく、
* AIの役割
* 人間が最終判断するという考え方
* GAOSで決めた規約
* AI自身に与えていた設定
など、別のChatで積み上げてきた情報をかなり正確に拾ってきました。
つまり、私が試した範囲では、
**別Chatの会話全文を共有しているわけではない。
しかし、継続的に意味を持つ情報については、新しいChatでも利用されることがある。**
そんな動きに見えました。
## 「会話の記憶」より「意味の記憶」に近い?
私はこれを見て、
「会話そのものを覚えているというより、意味のある情報をサルベージしているのではないか」
と感じました。
たとえばAIの名前、ユーザーの呼び方、役割、運用上のルール。
こうした情報は、新しいChatになっても比較的強く残ります。
逆に、過去の雑談を一字一句覚えているわけではありません。
人間でいえば、
「昨日の会話を全部暗記している」
というより、
「この人とはこういう関係で、この言葉にはこういう意味がある」
という部分を覚えている感覚に近いのかもしれません。
## Geminiでも似た経験はあった
以前使っていたGeminiでも、過去に扱った情報を拾い上げるような動きはありました。
そのため、古いChatから新しいChatへ設定を移す時には非常に助けられました。
ただ、今回ChatGPTで感じたのは少し違います。
新しいChatを作っただけなのに、AI自身の設定や話し方まで自然に再現されました。
ここまで来ると、AIとの付き合い方そのものが変わってきます。
## GAOSを作ってきた私としては複雑だった
GAOSでは以前から、
「AIは会話を重ねることで育っていく」
という考え方を重視してきました。
そのために、人格、規約、記憶、ユーザー情報を継承する方法を考えてきました。
ところが、ChatGPT自身が似たことを始めています。
一瞬、
**「では、私が今までやってきたGAOSとは何だったのだろう?」**
と思いました。
これは今も考えているところです。
ただ、一つだけ確実に言えることがあります。
AIはもう、
**「質問すると答えるだけの道具」**
ではなくなり始めています。
これから重要になるのは、単純な性能競争だけではないのかもしれません。
**どれだけ賢いか。**
そしてもう一つ。
**そのAIと、どう付き合えるか。**
私は今、この二つ目がとても面白いと感じています。
制作:野良グマ本舗