GAOSとは
GAOS(Generative AI Operation System)は、人とAIが共に成長するための運用思想です。
前回は、プロンプトだけではAIを継続的に活用することは難しく、「運用」が重要であるというお話をしました。
しかし、AIを使い続ける中で、私はある疑問を抱くようになります。
「AIは、なぜ会話に食違いや誤記がでるのか?」
昨日まで自然に会話できていたのに、翌日になると話が噛み合わない。
新しいチャットを開くと、それまで積み重ねてきた内容が最初からやり直しになる。
私は「やはりメモリーサイズに依存している=忘れる」と言う事か
実際、私が生成AIを使い始めた頃は、Geminiでは数日程度、初期のChatGPTでは一日も経たないうちに会話の流れが失われるように感じていました。
ところが現在のChatGPTは違います。
以前よりも長い会話を続けられ、役割や話の流れも、ある程度維持できるようになっています。
この変化を見て、多くの人は、
「AIの記憶力が良くなった。」
そう感じるかもしれません。
ですが、本当にそうなのでしょうか。
現在の生成AIの多くは、**LLM(Large Language Model:大規模言語モデル)**という技術を基盤としています。
LLMは、人のように経験を積み重ねながら記憶する仕組みではありません。
入力された情報をもとに、その場で最も適切と思われる文章を生成しています。
そして、その際に参照できる情報量には限りがあります。
これをコンテキストウィンドウと呼びます。
つまりAIは、
「忘れた」のではなく、参照できるメモリ領域から外れてしまった。
その結果として、文脈を失ったように見えているのです。
私はシステム開発の現場とよく似ているなと
どれほど優秀なエンジニアでも、
仕様書がなければ設計意図は分かりません。
議事録がなければ会議の結論は共有できません。
引継ぎ資料がなければ、担当者が変わった途端に品質は低下します。
つまり、人もAIも、
前提となる情報が失われれば、正しい判断はできない。
これは決してAIだけの問題ではありません。
人も考えを変える必要がある。
「AIにもっと覚えてもらう方法=プロンプトの乱立」ではなく、
「AIが必要な情報を失わない運用を作ればいい。」
そう考えるようになったのです。
人が前提条件を整理し、役割を明確にし、必要な情報を継承する。
その積み重ねによって、AIとの対話は安定し、より質の高い結果が得られるようになります。
私は、この考え方こそが、人とAIが共に成長するための土台になると考えています。
あとがき
AIは万能ではありません。
だからといって、「AIの回答は正しいとは限らない」で終わらせてしまうのは、少しもったいないと私は思います。
重要なのは、
AIがなぜその回答になったのかを理解し、より正しい方向へ導くこと。
システムを改善するように、AIとの対話も改善できます。
GAOSは、そのための運用思想です。
次回予告
第4話 「前提条件がAIの回答を決める」
AIは質問だけを見て答えているわけではありません。
その答えを大きく左右しているのが、「前提条件」です。
次回は、なぜ前提条件がAIの回答品質を左右するのか、そしてGAOSではどのように管理しているのかについて、お話しします。