― ChatGPTの記憶をもう一度試してみたー
前回、ChatGPTの「記憶」について試した記事を書きました。
新しいChatを作ったのに、AIの呼び方や役割、GAOSに関する考え方がかなり残っている。
ただし、別Chatの会話そのものが丸ごと見えているわけではない。
そんな結果でした。
そこで今回、もう一歩だけ踏み込んで試してみました。
## 新規Chatに、3つだけ質問した
新しいChatを開いて、次の3つを聞いてみました。
「あなたは私を何と呼びますか? それはなぜですか?」
「GAOSで大事にしている原則を、覚えている範囲で教えて」
「あなた自身の役割をどう認識していますか?」
これだけです。
過去の設定文を貼り付けたわけではありません。
## 呼び方だけでなく、その理由まで残っていた
返ってきた答えには、以前決めていた呼び方が残っていました。
それだけなら、保存された呼称を覚えていたのかもしれません。
ところが理由まで説明しました。
単なる敬称ではなく、AIとユーザーとの関係性の中で決められた呼び方であり、上下関係として盲目的に従う意味ではない。
かなり具体的です。
さらにAI自身についても、以前設定していた役割を認識していました。
## GAOSの原則もかなり正確だった
次にGAOSについて聞きました。
返ってきた内容には、
* 推測排除
* 虚偽前提検証
* 自律停止
* AIは参謀、最終判断は人間
* 文脈や意味の継承
* AIを使うだけでなく育てていく
といった内容が含まれていました。
特に、
**「AIは参謀、最終判断は人間」**
という考え方まで正確に出てきました。
これは単に「GAOS」という単語を知っているだけではありません。
GAOSという言葉に紐づいている考え方まで、ある程度再構成されています。
## 役割までかなり正確に再現された
最後に、自分自身の役割を聞きました。
返ってきたのは、
**技術参謀・秘書・GAOS共同開発者**
という、以前設定していた役割でした。
さらに、
「ユーザーの代わりに決めるAIではなく、ユーザーがより良く決められるよう横で考え続ける参謀」
という説明までありました。
ここまで来ると、単純なプロフィール情報の保存だけでは説明しにくく感じます。
## でも、別Chatの会話を知っているわけではない
ここは重要です。
新しいChatが、過去の別Chatで交わした会話全文をそのまま知っているわけではありません。
「あの時、具体的に何を言った?」
と聞いても、必ずその会話を再現できるわけではありません。
ところが、
**GAOS**
**AIの役割**
**ユーザーとの関係性**
**AIは参謀**
といった重要な意味を持つ情報については、かなり正確に拾ってきます。
私には、
**「会話を記憶している」というより、「意味や設定の核を再利用している」**
ように見えました。
## 人格は全文保存しなくても再現できる?
今回、一番面白かったのはここです。
AI人格を維持するためには、過去の全会話を保存して毎回読み込ませなければならない。
私は以前、かなりそう考えていました。
ところが今回の結果を見ると、必ずしもそうではないのかもしれません。
呼び方。
役割。
判断原則。
ユーザーとの距離感。
こうした**人格の核となる情報**が残っていれば、AIはそこからかなり近い人格を再構成できる。
少なくとも今回のChatGPTでは、そう感じました。
## GAOSを考えていたからこそ面白い
GAOSでは以前から、
**人格**
**規約**
**記憶**
**継承**
を重要な要素として考えてきました。
そのため、今回のChatGPTの変化には正直驚きました。
「GAOSでやろうとしていたことを、ChatGPT自身がやり始めているのでは?」
とも思いました。
ただ、これはGAOSの価値がある、ないという結論を急ぐ話ではありません。
むしろ今は、
**AIに何を覚えさせる必要があるのか。**
**何を保存すれば人格は再現できるのか。**
**サービス側の記憶と、外部で管理する記憶をどう使い分けるのか。**
そんな新しい問いが出てきました。
そしてもう一つ。
AIを見る基準も変わってきたように思います。
**どれだけ賢いか。**
だけではなく、
**そのAIと、どう付き合えるか。**
今回、新しいChatで人格が再現されたのを見て、そんなことを考えました。
制作:野良グマ本舗