ホームページ制作のプロジェクトが進んでいくと、いつの間にか「とにかく良いものを完成させること」自体が目的になってしまうことがあります。デザインの細部にこだわり、修正を繰り返し、気に入った見た目に仕上げる。それ自体は悪いことではありませんが、一度立ち止まって考えてみる価値があります。「そもそも、何のためにこのホームページを作るのか」ということです。
多くの場合、目的は2つに整理できる
ホームページを作る目的は、事業や状況によって異なりますが、多くの場合、大きく次の2つに整理できます。
・問い合わせ・売上・集客を増やしたい
・商品やサービス、会社のイメージを良くして、信頼されたい
前者は、行動につながる成果。後者は、印象や信頼につながる成果です。どちらも重要ですが、性質が異なります。この目的が明確になっていないと、デザインの方向性を決める際にも、判断の軸がぶやけてしまいます。
「作ることが目的化する」とどうなるか
目的が曖昧なまま進んでいくと、判断基準が「これは見た目として良いかどうか」だけになっていきます。すると、デザイナーの個人的な好みや、発注者自身の好みが、過剰に反映されやすくなります。
見た目が洗練されたホームページが完成したとしても、それがターゲットとなる顧客の心理や行動を踏まえたものでなければ、問い合わせや売上の増加には直接つながりません。「良いものができた」という満足感と、「成果が出た」という結果は、別のものだということを、意識しておく必要があります。
成果につながる設計とは、どういうものか
成果を意識した設計では、デザインを決める前に、いくつかの問いに答えることが重要になります。「誰に向けたサイトなのか」「その人は、どんな悩みや関心を持っているのか」「サイトを訪れた人に、最終的にどんな行動を取ってもらいたいのか」。
これらの問いに対する答えが明確になってはじめて、「このデザインは、なぜこの構成になっているのか」「なぜこの言葉を使っているのか」という根拠が生まれます。見た目の良さは、その根拠の上に成り立つものであって、根拠そのものを置き換えるものではありません。
依頼する側として、目的を言語化しておく
ホームページ制作を依頼する際、発注者自身が「何のために作るのか」を明確に言語化できていなくても、それ自体は問題ではありません。優れたヒアリングのプロセスがあれば、対話のなかでその目的を一緒に整理していくことができます。
大切なのは、「とにかく良いものを作ってほしい」という依頼の仕方ではなく、「こういう成果につながるものを作ってほしい」という視点を、できるだけ早い段階で持っておくことです。それだけで、デザインの方向性についての会話も、より具体的で実りのあるものになっていきます。