離婚したい私がつけていた「義実家・閻魔帳」

離婚したい私がつけていた「義実家・閻魔帳」

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結婚していた頃、

私は密かに「閻魔帳」をつけていた。

もちろん正式名称はそんなものではない。

ただのノートである。


でも中身は、

「○月○日、義母よりこの発言あり」

「本日も夫、妻より実家を優先」

「それ、私が我慢する案件ですか?」

みたいな、


義実家との思い出・怒りのデータベース。


今思えば、なかなかの執念である。


なぜそんなものを書いていたのか。

それは、腹が立ったことを誰かに話して、

「聞いてもらったらスッキリした〜」

で終わらせたくなかったから。


人間というのは不思議なもので、

あんなに悔しかったのに、

数日経つと、

「まあ、いいか」

になったりする。


私は、それが嫌だった。


「いやいや、よくないから」

と未来の自分に教えるために、

せっせと記録していたのである。


言ってみれば、

離婚への情熱を絶やさないための薪。

🔥本日の義実家
🔥昨日の夫
🔥はい、薪追加

そんな感じである。


そして、

「もう限界かもしれない」

と思い始めた頃。


なぜか突然、

離婚経験者の従姉妹から忠告された。

私は閻魔帳の存在なんて
一言も話していない。

なのに彼女は、

「自分から離婚したいって
言っちゃダメだよ」

と言い、

さらに、

「もし日記みたいなの書いてたら、
早く処分したほうがいいよ」

と言ってきた。

え!?

なんで知ってるの?

閻魔帳、見えてます?

一瞬、背後を振り返りたくなった。

でも経験者の言うことだ。

私は素直に閻魔帳を処分した。


すると、まもなくして。

夫と2人で外食していたときだった。

軽い口論になった時に、

夫が突然こう言った。

「実家に帰ってもいいよ」


その瞬間。


私は女優になった。


表面上は、

「……そうなんだ」

と、ほんの少し寂しそうな顔。

主演女優賞級である。


しかし心の中では、

うおおおおおおおお!!!!!


🎊🎊🎊🎊🎊

優勝!!

勝った!!

今だ!!

帰るぞーーーー!!

神様、ありがとう!

紙吹雪が舞っていた。

外食先なので立ち上がって
ガッツポーズするわけにもいかない。

だから静かに座っていたが、

私の魂は完全に胴上げされていた。

「寂しい妻」を演じながら、

脳内では祝賀パレードである。


そして実家に戻ったあと、

半年ぐらいして、

夫の家から私の荷物が送られてきた。

段ボールを見ながら思った。

……閻魔帳。

先に処分しておいてよかった。

もし荷物の中から、

私による

『義実家・怒りの全記録』

なんて出てきたら、笑


ただ、これはあくまで私の場合の話。

離婚を考えているときの記録は、
状況によって大切な資料になることもあるので、
「日記は捨てよう!」という話ではない。

私が言いたいのは、

怒ったことも、傷ついたことも、

誰かに話してスッキリすると、

意外と忘れてしまうということ。

忘れることで救われることもある。


でも、


「これは忘れちゃいけない」

と思う出来事もある。


そんなときは、

未来の自分のために言葉にして
残しておくのも一つの方法だと思う。

スマホのメモでもいい。

ただしタイトルは、

「買うものリスト」

くらいにしておいたほうが
いいかもしれない。

中身を開いたら、

牛乳
ティッシュ
義母・○月○日の発言

となっている可能性はあるが。


そして最後に。

あの日、

夫から

「実家に帰ってもいいよ」

と言われたときの私へ。

あの悲しそうな顔、

なかなか上手だったぞ。

心の中で万歳三唱していたことは、

最後までバレなかった。

たぶん。笑



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