心地よい風だった恋が、いつのまにか暴風雨に

心地よい風だった恋が、いつのまにか暴風雨に

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お気に入りの人がいる。

ただそれだけで、

なんでもない一日に

少し楽しみが増えることがあります。


今日は会えるかな。

連絡が来たらいいな。

今ごろ何してるんだろう。

そんなことを考えるだけで、

少しだけ心があたたかくなる。

特別なことが起きていなくても、
その人の存在を思い出すだけで、

退屈だった一日に色がつく。


恋をしている時って、
そんな不思議な力があります。

誰かを好きになれること自体、
私はけっこうすごいことだと思うんです。

たくさんの人がいる中で、

「この人が気になる」

「もっと知りたい」

「また会いたい」

と思える人に出会う。


そんな相手に巡り会えることって、
考えてみれば奇跡に近いのかもしれません。


でも。


最初は心地よかったその気持ちが、
少しずつ苦しくなっていくことがあります。


好きという気持ちの比重が、

大きくなりすぎた時です。


もっと会いたい。

もっと私を見てほしい。

私を選んでほしい。

他の人を見ないでほしい。

好きだからこそ、見返りがほしくなる。

独占したくなる。

相手の気持ちを確かめたくなる。


そして、相手の態度ひとつで、
その日の気分まで大きく揺れるようになります。


返信が来れば嬉しい。

来なければ落ち込む。

優しくされれば期待する。

少し冷たくされただけで、

「嫌われたのかな」

「もう無理なのかな」

と頭の中がいっぱいになる。


最初は心をなでるような
心地よい風だったはずなのに、

気づけば暴風雨の中に立っている。


恋って、時々そんなふうに
姿を変えることがあります。

好きな人に振り向いてほしい
と思うのは、自然なことです。

できれば両想いになりたいし、

大切にされたいし、

自分だけを見てほしい。

恋をしているのだから、そう思って当然です。


ただ、恋には自分ひとりでは
決められない部分があります。

どれだけ好きでも、

どれだけ頑張っても、

相手の気持ちまでは動かせません。

ここが恋の残酷なところでもあります。

仕事なら努力が結果につながることも多い。

勉強なら時間をかければ上達する。


でも恋愛は、

「これだけ好きなんだから」

「これだけ頑張ったんだから」

では、どうにもならないことがある。

相手の心は、相手のものだからです。


だからこそ、

好きになることより、

好きな気持ちを手放すことのほうが
難しいこともあります。

まだ好きなのに離れる。

まだ期待しているのに諦める。

もしかしたら何か起きるかもしれない
という可能性を、自分の手で閉じる。

これはかなりエネルギーを使います。


周りから見れば、

「もう次に行けばいいじゃん」

で済む話でも、

本人の中ではそう簡単ではありません。

だって、その人を好きだった時間には、

期待も、

妄想も、

嬉しかった出来事も、

未来への想像も、

全部くっついているから。

恋を終わらせるということは、

相手ひとりを手放すだけではなく、

その人と一緒に見ていた未来まで
手放す作業なのかもしれません。

だから時間がかかっても、

おかしくありません。

ただひとつ、

忘れたくないことがあります。

恋は、本来あなたの人生を
少し豊かにしてくれるものです。

その人を思うだけで、

少し元気になれたり、

明日を楽しみにできたり、

自分をきれいにしたくなったり。

そんなふうに、

人生にやさしい風を
吹かせてくれる存在だったはず。


もし今、

その恋があなたを苦しめる時間のほうが
圧倒的に長くなっているのなら、

少しだけ立ち止まってみても
いいのかもしれません。

「私はまだ、この人を好きでいたいのかな」

ではなく、

「この恋をしている時の私は、心地いいかな?」


と。






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