若い頃、年上の人に惹かれた話

若い頃、年上の人に惹かれた話

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コラム
今回のブログは、「恋バナを書いてほしい」という無茶ぶりをいただいたので、思い切って書いてみました。笑

こういう内容を書くのは今回が初めて。

どんな反応が返ってくるのか、少しドキドキしながら、でもワクワクもしながら書いています。

それでは、スタート!


若い頃、年上の人に惹かれた話

若い頃、バイト先で出会った年上の女性がいた。

黒髪ロングで、美人という言葉がそのまま似合う人。
声は落ち着いていて綺麗で、笑うとふっと柔らかくなる。

最初はただの職場の人やったのに、気づいたら目で追っていた。

そのバイトは、3人だけで狭い作業部屋にこもる仕事やった。

距離が近いから、ちょっとした仕草や息遣いまで伝わってくる。

ある日、ふと横を通った瞬間に、その人の匂いが近くに来た。

香水でも柔軟剤でもない。
“その人自身の匂い”やった。

その瞬間、胸が跳ねた。

その人は美人で、落ち着いていて、周りから見たら完璧な大人の女性。

でもある日、密室で作業しているときに、ふっと愚痴をこぼした。

「最近ちょっとしつこい人がおってさ……」
「どう断ったらええんかわからんねん」

その声が少しだけ弱くて、少しだけ頼っているように聞こえた。

その瞬間、距離が一気に縮まった気がした。

しばらくして、またその人が近くを通ったとき、

「あれ?」

と思った。

匂いが変わっていた。

前より少し甘くて、少し近い感じがした。

理由はわからなかったけど、その変化に気づいた自分にも驚いた。

愚痴を聞く時間が増えて、その延長で「ちょっと話そか」とご飯へ行くようになった。

店の照明で黒髪ロングが綺麗に見えて、声もいつもより柔らかい。

若い自分は、ただただ心が揺れていた。

ある日、少し飲みすぎた彼女を公園で介抱した。

夜の公園は静かで、街灯のオレンジ色が少し寂しい。

「なんかもう疲れたわ……」

そう言って弱さを見せた彼女を見て、

「守りたくなるって、こういうことなんや」

と初めて思った。

冬の夜。

空気が乾いていて、息が白くなるほど寒かった。

話し込んでいるうちに体が冷えて、自然と肩が触れる距離になった。

黒髪がふわっと触れて、その距離だけがやけに温かかった。

彼女がそっと顔を向け、少し迷ったような目をしたあと、静かに近づいてきた。

冬の静けさの中で、その一瞬だけ世界が止まったように感じた。

後になって、あの匂いが変わった理由を聞いた。

「惚れさせたかったから、わざと変えたんやで。」

そう言って笑う彼女。

あの日感じた甘い匂いは、偶然じゃなかった。

おれに近づくための、小さなサインだったらしい。

その言葉を聞いた瞬間、胸の奥がじんわり熱くなった。

今思えば、あれは大人の恋でも、劇的な恋でもない。

ただ、若かった自分が、一人の年上の女性に本気で惹かれた、小さな恋のものがたり。

だから今でも、冬の冷たい空気や、ふと漂う優しい香りに触れると、あの頃の記憶が静かによみがえる。

おしまい。


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