玄征です。
今月【9月23日】、秋分を迎えます。
祝日なので誰もが知っている日ですが、暦の上でどういう意味を持つ日なのかは、あまり知られていません。陰陽道においては、一年の中でも特別な位置を占める日です。
◆昼と夜が、等しくなる
秋分は、昼の長さと夜の長さがほぼ同じになる日です。
これは単なる天文現象の話ではありません。陰陽道では、昼は陽、夜は陰とされます。つまり陰と陽が釣り合う日ということです。
一年でこれが起こるのは、春分と秋分の二回だけ。それ以外の日は、必ずどちらかに傾いています。
そして秋分を境に、夜の方が長くなります。ここから先は、陰が優位な季節に入ります。
◆陽の期間が、終わる
春分から秋分までの半年は、陽の期間でした。日が長く、外へ向かい、動き、広げる季節です。
秋分から春分までは、陰の期間です。日が短く、内へ向かい、蓄え、絞る季節になります。
つまり秋分は、一年の決算日にあたります。
この半年で蒔いたものが、ここで一度形になる。そして形にならなかったものは、ここで一旦手放す。そういう区切りの日です。
「今年はもう半分過ぎてしまった」と焦る方がいらっしゃいますが、そうではありません。攻める季節が終わって、守り育てる季節に変わるだけです。やることが変わるのであって、終わるわけではありません。
◆判断が狂わない、という意味
見出しの話をします。
陰陽が釣り合っているということは、気が偏っていないということです。
人の判断は、気の傾きに引きずられます。陽が強い時期は前のめりになり、根拠が薄くても動けてしまう。陰が強い時期は慎重になりすぎ、動くべき時にも止まってしまう。
どちらも、判断そのものが歪んでいます。
秋分は、その傾きが最も小さい日です。だからこの日に考えたことは、普段より正確になります。
迷っていることがあるなら、この日に一度考え直してみてください。答えが変わることがあります。変わらなければ、それが本当の答えです。
◆彼岸の中日でもある
秋分の日は、秋のお彼岸の中日にあたります。
なぜこの日に先祖供養をするのか。理由のひとつは、この日、太陽が真西に沈むからです。
秋分と春分の日だけ、太陽は真東から昇り、真西へ沈みます。西は、古来より「あちら側」の方角とされてきました。だから最も西が近づくこの日に、手を合わせる習慣が生まれました。
陰陽道の観点で言えば、この日は境が薄くなる日です。此岸と彼岸、現世と幽世。その区切りが最も曖昧になります。
不安を煽るつもりはありません。悪いものが出てくるという話ではなく、単に繋がりやすくなるというだけのことです。
亡くなった方を思い出す日があってもいい。そのために用意された日だと考えれば、自然なことだと思います。
◆秋分の日にすると良いこと
難しいことは必要ありません。
一つ目。西を向いて、沈む日を見る。
真西に沈む日を見られるのは年に二回だけです。数分でいい。ただ見るだけで結構です。陰から陽への切り替わりを、体で受け取ることになります。
二つ目。決めきれていないことを、一つ決める。
先ほど申し上げた通り、この日は判断が偏りません。何ヶ月も保留にしていることがあるなら、この日に向き合ってみてください。
三つ目。手放すものを、一つ決める。
秋は金の気、断つ気の季節です。そして秋分はその中心にあたります。物でも、関係でも、役割でも構いません。一つ手放すと、その分だけ空きます。
四つ目。手を合わせる。
墓参りに行けなくても構いません。思い出すだけで十分です。
◆やらない方がいいこと
一つだけあります。
大きな勝負をかけないでください。
秋分は均衡の日であって、勢いの日ではありません。押し切る力が最も弱い日です。
決めるのには向いていますが、動かすのには向いていません。決めた上で、動くのは数日後にする。それくらいの余裕を持ってください。
◆一年で二回しかない日です
秋分を特別扱いする文化は、日本だけのものではありません。世界中の古い暦が、この日を区切りとして扱ってきました。
理由は単純で、誰が見ても分かる区切りだからです。昼と夜が同じ長さになる。これは観測すれば誰にでも確認できます。
暦は、そういう確かなものの上に成り立っています。占いというより、天文観測の記録です。
だからこそ、私は暦を信頼しています。
【9月23日】、昼と夜が等しくなります。
何かを決めるなら、この日に。
迷っていることについて、一度整理したいという方は、視させていただきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。