月は見上げてないけど、ロピアで思い出は見上げた話

月は見上げてないけど、ロピアで思い出は見上げた話

記事
コラム
満月がきれいですね。

月とかけまして(?)
某有名チーズケーキファクトリーに、ひとつ忘れられない思い出があってね。
とあるナイスルッキングガイとデートに行った日のことです。
元カレシリーズしばしお付き合いください。

あそこって、何もかもがボリューミーすぎる。
彼は「そんなに注文しなくていいよ」と優しく言ってくれたのに、
わたしは“しっかりめ”に注文してしまったの。
しっかりめっていうかあの店ではもう“過剰”の意味。

案の定、食べられなくって。
気持ち悪さと、残した申し訳なさで、しょんぼりしながら帰ろうとしたそのとき。
レジ横に、ぬいぐるみが売っていたの。

ちょっとくたっとしてて、お腹にロゴの刺繍が入っているくま。
なんでチーズケーキ屋にくまがいるのかは永遠の謎。
観光客用かなーなんて思いながらスルー。

「先に出てて」と言われて外で待っていたら、
彼がそのくまを抱えて出てきたの。

正直に言うと、わたしは一瞬「え???」と思った。
興味がなかったから、素直に喜ぶ顔がとっさにできなかった。
未熟者でしたわ、本当に。

でも彼は、生粋のアメリカ人で。
もうすぐ日本へ帰るわたしに、くまを差し出しながら言った。

「見ている月は、いつどこにいたって同じだよ。
このくまちゃんと一緒に、日本から月を見てほしい。
僕も同じように見てるから。」

ロマンチックすぎて、くまが一瞬、NASA所属に見えた。

──そして今日。
ロピアに初めて行ったわたしは、店内の安さの暴風に吹かれながら歩いていた。
「うわーこんなお肉BBQで焼いてたら人気者になれそうだなーでも固いんだろなー…ほりにしあるやん。さすがのロピアでも安くはならないかあ。」と心の中でツッコミを入れつつ、
ふと視界の端に、見覚えのあるロゴがあった。

Cheesecake Factory。

え?
ちょっと待って。
ロピアに、チーズケーキファクトリーが、いる?

棚の前で二度見して、三度見して、最後は小さく会釈した。
だって、あのくまの記憶が一気によみがえったから。

アメリカで食べた背徳的なチーズケーキ。
食べきれなかった罪悪感。
くたっとしたくま。
月の話をしてくれた彼。

全部が、ロピアの棚のすみっこで、そっと伏線回収されたみたいだった。

そして──
ちなみに、買ってない。

さらに言うと、
月も一度も見上げてないです。ごめんなさい。

アメッリカーンな派手派手くまも無くしちゃってる。

で、彼とはどうなったかって?
わたしの帰国後、数年で──

中国人ギャルと結婚しました。
おめでとうすぎるぜ。

月どころか、太陽みたいなギャルと結婚してた。
なんやねんと。

ロピアの出口へ向かう足取りが、なぜか少しだけ軽かったよ。

今回私は買う気になれなかったけど、
食べたことある人はどうだったかぜひ教えてね。
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