突然のテレビ電話にほっこりした日。

突然のテレビ電話にほっこりした日。

記事
コラム
夜ごはんを作ろうとしていたら、スマホが突然ブルブル震えた
画面には「父」。
しかもテレビ電話。

……え、画面オンなん。
父がテレビ電話を使うなんて!
写メをショートメールで送る方法を教えてくれと言っていたのに!

恐る恐る出たら、
父の顔が画面いっぱいにドーン。
なぜかカメラが近い。
近すぎて、知らなかった実父のシミの多さよ。

たまに見える背景は実家のアート。
絵画好きな両親なもので。
実家といえばのリビングの絵画に少ししんみりしつつ。

「おう。父の日やけん」
「うん」
「なんか届いたわ。ありがとうな」
「うん」
——終了。

テレビ電話なのに、
ただの音声チェックなのかな。

でも、占い師としての私は知っている。
父のあの一瞬の目線の泳ぎ方、
声のトーンの揺れ、
呼吸の間。
全部ひっくるめて、
「ほんとはもっと話したいけど、照れが限界」  
というサインだ。

父は昔から、
感情を長く持ち歩くとこぼすタイプ。
だから必要最低限の言葉だけ置いて、
すぐ退散する。
その不器用さが、なんかもう愛しい。

電話を切ったあと、
胸の奥がじんわり温かくなった。
短いのに、妙に満たされる。
父との関係って、いつもそうだ。

今日は体調がいまいちで、
休みの前日なのに身体が「今日は控えめでお願いします」と言ってくる。
でも、誰かと繋がっていたい気持ちはちゃんとある。

だから私は、自炊をした。
包丁のトントンという音が、
“丁寧な暮らししてます感”を演出してくれる。
実際はただの野菜炒めなのに、
なぜか生活のプロみたいな気分になる。

野菜を炒めながらふと思う。
父もきっと、
言葉にしないだけで、
いろんな気持ちを抱えて生きてきたんだろうな、と。

テレビ電話は短かったけど、
その短さの奥にあるものは、
ちゃんと届いている。

そして私は、
その余韻を抱えたまま、
静かに夜を迎えている。
なんだか今日は、
ひとりじゃない気がする。
今年の夏は実家帰ろうかな。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す