以前の私は、毎日が時間との勝負でした。
子育てをしながら仕事をして、家事をこなし、睡眠時間は五時間も取れない日が続いていました。
それでも、少しだけできた時間を見つけてはパソコンに向かい、新しいことを学んでいました。
インターネットが広がり、社会はどんどん変化していく時代。
取り残されることが怖くて、必死に情報を追いかけていたのを覚えています。
でも今振り返ると、本当に知りたかったのは情報ではありませんでした。
「私は何を仕事にして生きていけばいいのだろう。」
「どうしたら自立できるのだろう。」
そんな答えを探していたのだと思います。
若かったこともあり、興味を持ったことには積極的に挑戦しました。
けれど、思うような結果が出なければ、すぐに次へ。
習得する前に別のことへ目が向いてしまう。
そんな繰り返しでした。
あの頃の私は、挑戦することは得意でも、一つのことを育てる前に次へ進んでしまう「チャレンジャー」だったのかもしれません。
そして今。
子育てもひと段落し、以前ほど時間に追われることはありません。
十分な睡眠も取れます。
読みたい本もたくさんあります。
時間だけを見れば、あの頃よりずっと恵まれています。
それなのに、思うように本が読めないことがあります。
「今日はこの時間に読もう」と決めても、気づけば別のことをしている。
やろうと思っていたことに、なかなかたどり着けない。
年齢のせいか、何度読んでも頭に入ってこないと感じる日もあります。
もしかすると、時間があるからこそ、心のどこかで「まだ大丈夫」と思っているのかもしれません。
まるで、夏休みが始まったばかりの小学生のように。
「まだ時間はある。」
そう思っているうちに、一日、また一日と過ぎていく。
でも、学生には夏休みの終わりがあります。
宿題を提出する日があり、テストがあります。
私は子どもたちによく、
「宿題は早く終わらせて、いっぱい遊びなさい。」
と言っていました。
今になって、その言葉を自分自身に返したいと思っています。
やるべきことを先送りにして落ち着かない毎日を送るより、優先することを決めて、一つずつ終わらせていく。
その方が、心にも余裕が生まれるはずです。
これからの私は、「時間があるからできるはず」ではなく、「時間をどう使うか」を大切にしたいと思います。
学生の頃のように、夏休みの計画表を作ってもいい。
一日の時間割を書いてもいい。
「今週はここまで進める」と決めてもいい。
完璧にできなくても構いません。
大切なのは、自分が本当に優先したいことを見失わないことです。
私は、もっと学びたい。
もっと手相を深めたい。
そして、自分の言葉で誰かの力になれる人でありたい。
そのためには、目の前のことを一つずつ積み重ねていくしかありません。
人は時間に追われると計画を立てたくなります。
でも、本当に計画が必要なのは、時間に余裕がある時なのかもしれません。
余裕があるからこそ、心の計画を立てる。
現実の計画を立てる。
そして、その計画に沿って一歩ずつ歩いていく。
暑い夏だからこそ、自分を甘やかすだけではなく、少しだけ自分に約束をしてみる。
その小さな積み重ねが、未来の自分をつくっていくのだと思います。
人生は、誰かが計画してくれるものではありません。
だからこそ、自分で未来地図を描き、自分で舵を取って歩いていきたいと思います。