その英語のミス、本当にケアレスミスですか?

その英語のミス、本当にケアレスミスですか?

記事
学び
お子さんの勉強を見ているとき、あるいはテストの答案を一緒に確認しているとき。

間違えた問題について、

「これはケアレスミスだった」

とお子さんから言われたことはありませんか?

その言葉を聞いて、

「この子はケアレスミスが多いな」
「注意力が足りないのかな」
「ちょっとおっちょこちょいなんだろうな」

と考えてしまうこともあると思います。

しかし、私は生徒の間違いを見るとき、

本当にこれはケアレスミスなのか?

ということをかなり意識して確認しています。

なぜなら、一見ケアレスミスに見える間違いでも、詳しく確認すると、

実は理解不足や知識不足が原因だった

というケースがかなり多いからです。

本当の「ケアレスミス」とは?
例えば、英語の文法問題で次のような問題があったとします。

I ( ) soccer yesterday.

① play
② plays
③ played
④ playing

正解は③の played です。

生徒本人も、

「yesterday があるから過去形。だから played」

と分かっていたとします。

ところが、急いで問題を解いていて、③を選んだつもりが②の plays に丸をつけてしまった。

そして答案が返ってきたあと、

「あ、③にしたつもりだった!」

とすぐに間違いに気づいた。

これは、かなり典型的なケアレスミスだと思います。

つまり、本当のケアレスミスには一つ特徴があります。

問題をもう一度見たときに、自分ですぐ間違いに気づけることです。

知識そのものは持っている。

考え方も合っている。

しかし、読み間違えたり、書き間違えたり、選択肢を間違えて選んでしまった。

こうしたものは、確かにケアレスミスと言えます。

「ケアレスミス」で終わらせない
一方で、問題をもう一度解かせても間違える場合。

これは単純なケアレスミスではない可能性があります。

私は、生徒が問題を間違えたときには、

「なぜこの答えを選んだのか」

まで確認することがあります。

すると、同じ不正解でも、間違えた原因はまったく違います。

例えば英語なら、

文法の理解が浅かった

単語の意味が分からなかった

長い文章の構造が分からなかった

英文は訳せても、文章の意味そのものを理解できなかった

など、いろいろな原因があります。

そして重要なのは、

原因が違えば、やるべき勉強も変わる

ということです。

① 文法の理解が浅い
例えば、

I want ( ) a doctor in the future.

① be
② to be
③ being
④ am

という問題。

正解は、

I want to be a doctor in the future.

です。

ここで③の being を選んでしまったとします。

本人は、

「なんとなく ing が入りそうだと思った」

と言う。

これはケアレスミスではありません。

want の後ろには to+動詞の原形が来る

という不定詞の理解が十分ではない可能性があります。

この場合に必要なのは、

「もっと注意して問題を読みなさい」

ではありません。

不定詞の文法をもう一度復習することです。

want to do
need to do
hope to do

など、同じ形を取る表現をまとめて復習すると、より効果的です。

② 単語の意味が分からない
例えば、

My father usually leaves home at seven.

という文章があったとします。

ここで leave の意味が分からなければ、

「父は普段7時に家を出ます」

という文章の意味を理解できません。

文法が分かっていたとしても、単語が分からなければ問題には答えられません。

これは注意力の問題ではなく、

単語の知識不足です。

この場合は、間違えた単語だけを覚えるのではなく、

leave
arrive
return
reach

など、その時期に学習する関連する単語も一緒に振り返ると効率的です。

③ 長い文章になると構造が分からない
例えば、

I have a friend who lives in Canada and plays soccer every weekend.

という文章。

単語自体は、

friend=友達
live=住む
Canada=カナダ
play soccer=サッカーをする

と分かっていたとします。

しかし、

who が何を表しているのか分からない。

どこまでが friend の説明なのか分からない。

すると、単語は知っているのに文章全体の意味が取れなくなります。

これは、

文章構造をつかむ力が不足している

状態です。

この場合、

「単語をもっと覚えよう」

だけでは、なかなか改善しません。

例えば、

I know a boy who can speak English.

This is the book that I bought yesterday.

のような、2〜3文程度の少し長めの英文を使い、

「who は誰を説明している?」
「that の前の名詞はどれ?」
「この and は何と何をつないでいる?」

といった練習をする必要があります。

④ 英語は訳せるのに、内容が分からない
さらに難しいのがこのパターンです。

例えば、

Tom was tired, but he decided to help his mother because she was very busy.

という英文。

単語も分かる。

文法も分かる。

日本語にも一応訳せる。

「トムは疲れていました。しかし、お母さんがとても忙しかったので、お母さんを手伝うことに決めました」

ここまではできた。

しかし、

「なぜトムはお母さんを手伝ったのですか?」

と聞かれると答えられない。

この場合、英語力だけではなく、

文章の内容を整理する力

が弱い可能性があります。

つまり、

「お母さんが忙しかったから」

と文章を短くまとめる力です。

この場合は、

文章を一文でまとめる
別の言葉で言い換える
「誰が・なぜ・何をした」を整理する

といった、国語的な練習も必要になります。

間違いには必ず原因がある
このように、一言で「英語の問題を間違えた」と言っても、

文法が原因なのか。

単語が原因なのか。

文章構造が原因なのか。

内容理解が原因なのか。

それによって対策はまったく違います。

だからこそ、

間違えた=ケアレスミス

と簡単に片づけないことが大切です。

もちろん、本当にケアレスミスだった問題について、お子さんを細かく問い詰める必要はありません。

ただ、保護者や講師側は、

「この子はなぜこの問題を間違えたんだろう?」

という視点を持っておくと、次にやるべき勉強がかなり見えやすくなります。

「注意しなさい」より「原因を探す」
ケアレスミスが多いように見えると、

「もっと注意して問題を解きなさい」

と言いたくなると思います。

しかし、理解不足が原因なのに、

「注意しなさい」

と言われても、問題は解決しません。

逆に、

「ここは不定詞をもう一回復習しよう」

「この単語が分からなかったから、周辺の単語も覚えよう」

「長い英文の構造を取る練習をしよう」

と原因が分かれば、やるべきことはかなり具体的になります。

間違えること自体は悪いことではありません。

むしろ、

間違いは、今どこを勉強すればいいのかを教えてくれる材料です。

だから、点数だけを見て焦る必要はありません。

一つ一つ、

「なぜ間違えたのか?」

を確認して、原因に合った勉強をしていく。

その積み重ねが、少しずつ本当の実力につながっていきます。
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