化粧品広告でよく引っかかる薬機法のNG表現10例と、その言い換え

化粧品広告でよく引っかかる薬機法のNG表現10例と、その言い換え

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ビジネス・マーケティング
「この表現はNGです」とだけ指摘されて、どう直せばいいか分からないまま原稿が返ってきた経験はないでしょうか。

化粧品・医薬部外品・健康食品の広告表現は、薬機法と厚生労働省の「医薬品等適正広告基準」で範囲が決まっています。ただ実務で困るのは、「どこが」「なぜ」「どう直すか」がセットになっていないことです。この記事では、化粧品の広告文で実際によく引っかかる表現を、根拠となる条文と言い換え案までセットで整理します。

■ 前提:化粧品が書ける効能は56項目しかない

一般化粧品が広告で標ぼうできる効能効果は、「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年7月21日 薬食発0721第1号)に定める56項目に限定されています。「肌を整える」「肌荒れを防ぐ」「皮膚にうるおいを与える」などがこれにあたります。このリストの外にある効果を書いた時点で、医薬品等適正広告基準 第4の3(2)に抵触します。ここが出発点です。

■ よく引っかかる表現と、その言い換え

【1】シワを予防する/たるみを解消する
化粧品は皮膚深部(細胞レベル)の生理代謝機能に影響を与えて加齢による影響を防ぐものではない、とされています。
言い換え:「乾燥による小ジワを目立たなくする」(※効能評価試験を実施している場合に限る)/「肌にはりを与える」
根拠:第4の3(1)(2)

【2】肌の奥まで浸透
効果の発現が確実であるかのような暗示、および効能効果の範囲を逸脱した効果の暗示にあたるため、原則として行いません。
言い換え:作用部位が角質層であることを明記したうえで「角質層まで浸透」
根拠:第4の3(5)(2)

【3】幹細胞コスメ/細胞レベルで
角質層を除く表皮、基底層、真皮、皮下組織、遺伝子等に言及する表現は、化粧品の定義と効能効果の範囲を逸脱します。
言い換え:配合成分の名称・由来の説明にとどめ、「○○細胞培養エキス」のように成分名として書く
根拠:第4の3(2)(3)

【4】デトックス
解毒は医薬品に対して使う言葉です。
言い換え:「皮膚を清浄にする」「汚れをおとす」
根拠:第4の3(1)(2)

【5】小顔/ぐっと引き締めて
身体の構造機能に影響を与えられるかのような表現となり、化粧品の定義の範囲を逸脱します。
言い換え:「小顔にみえるメーキャップ効果」のように、物理的効果であることを明確にする
根拠:第4の3(1)(2)

【6】一般化粧品での「薬用」
販売名・愛称・配合成分名・用法用量・効能効果に「薬用」の文字を使うことはできません。「薬用炭配合」も対象です。
対応:医薬部外品でなければ削除する
根拠:第4の1、3(2)(3)(4)

【7】美白/ホワイトニングの単独使用
「美白」は薬機法上の効能効果ではありません。薬用化粧品で使う場合は、承認を受けた効能効果を必ず併記します。
言い換え:「美白* *メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」
根拠:第4の3(1)

【8】必ず/確実に/100%
効能効果や安全性が確実であると保証する表現は、明示・暗示を問わず認められません。
対応:断定を外す
根拠:第4の3(5)

【9】業界最高峰/No.1
最大級の表現またはこれに類する表現は使えません。No.1表示は景品表示法上の優良誤認にもあたりうるため、調査の出典・対象・期間の明示が必要です。
根拠:第4の3(6)

【10】皮膚科医推奨/医師監修
医薬関係者による推せんは、たとえ事実であっても不適当とされています。
対応:削除する
根拠:第4の10

■ 見落とされやすい2つのポイント

(1)しばり表現の脱落
薬用化粧品で「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」の承認を受けている場合、「しみ、そばかすを防ぐ」だけを書くことはできません。しばり部分(メラニンの生成を抑え)を、同等の広告効果が期待できる形で併記する必要があります。紙面が狭い場合も同様です。美白系で最も頻出する指摘です。

(2)法令上必須の注意文を「違反」と誤解しない
逆のミスもあります。栄養機能食品の「本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません」や、化粧品の使用上の注意にある「皮フ科専門医等にご相談ください」は、いずれも書かなければならない文です。「治癒」「専門医」という語が入っているからといって削ってはいけません。チェックする側が間違えやすい箇所です。

■ 最後に

薬機法の指摘は、「NGかどうか」より「なぜNGで、どう書けば通るか」まで分かってはじめて実務で使えます。また、一般化粧品では認められない表現でも、医薬部外品として承認を受けた効能の範囲であれば記載できる場合があります。判定の前に製品区分と承認内容を確認することが欠かせません。

なお私は薬学部6年制課程に在学中で、薬剤師資格は保有していません。医学・薬学的な「監修」はお受けできず、表現上の留意点の指摘と代替案の提案までが対応範囲です。本記事も適法性を保証するものではありませんので、最終的なご判断は貴社および必要に応じて専門家にご確認ください。

出品では、広告文を対象に「該当箇所・根拠条文・代替表現の候補」を1件ずつ整理したレポートをお送りしています。
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