セラー業務支援室です。
私は医薬品メーカーで30年、営業事務として働いています。
前回、男女が生まれ持った願望の違いを、仕事にどう生かすかを書きました。
ただ、この話には、同じ場面でも男女で感じ方が違うことを知る必要があると思っています。
今回はそれについて書いておきたいと思います。
■表向きの環境で、信念とは関係ない状況
まず「表向きの環境で信念とは関係ない状況」と聞いて、
どのような状況を思い浮かべますか?
私は男性と女性では思い浮かべる場面が違うように感じています。
●男性が思い浮かべる場面
運動会など子どもの行事、親戚の集まりなど、
”年に数回あるかどうかの“外向きの場”を想像する人が多いのではないでしょうか。
こうした場面は頻度が少ないため、
男性は表情や態度にそのまま気持ちが出ることがあります。
そして、それを察した女性は「そっとしておく」。
数少ない場面だからこそ、それで問題が大事にならずに済むのです。
●女性が思い浮かべる場面
一方で女性は、職場の何気ない日常の場面を思い浮かべる人が多いように思います。
給湯室での会話、昼休み、担当業務とは関係の薄い会議や朝礼など…。
人によって場面は違いますが、いずれも「職場」という日常の環境です。
つまり女性にとっては、“表向きの環境で信念とは関係ない状況”が毎日のように存在するのです。
ちなみに夫側の親戚の集まりも含まれると感じる既婚女性もわりと多いのではないでしょうか。
そのため女性は、
• 無駄な波風を立てないよう多数派に合わせる
• 内心は違うので、裏向きの場(本心が許される環境)で同じ気持ちの人を探す(=陰口が生まれる構造)
• 信念が関係ないので「どうでもいい」と感じ、強い意見を持つ人に合わせる
こうした行動が日常的に起こります。
■女性が感じる「裏向きの環境」
ここで重要なのは、
同じ「職場」という環境でも、男性と女性が感じている“向き”が違うことがあるという点です。
●男性
職場は常に「表向きの環境」。
勤務時間はもちろん、飲み会や会社関係のゴルフなどのプライベートな場も“会社の延長”として表向きに捉える人が多い。
●女性
職場は表向きの場と裏向きの場が混在している。
特に会社の人と行く飲み会やBBQなどは、
表向きと裏向きが重なる繊細な場になる。
つまり、同じ状況にいながらも、
• 男性は「表向きの場」
• 女性は「裏向きの場」
と感じている瞬間がある。
この違いが、環境の捉え方のズレと私は考えています。
■実際にあったこと
私が若い頃、
個人経営の飲食店のアルバイトをしていたとき、
常連客と一緒にBBQをしたことがあります。
女性の店主からは事前に、
「今回は仕事じゃないし、アルバイト代も出ないから、
好きに食べて楽しんでね」
と言われていました。
ところが、そのやり取りを知らない男性の常連客は、
私が食べているときや、子どもと遊んでいるときに、
店主がBBQの準備や片付けを始めると、小声でこう言ってくるのです。
「手伝ったら?」「片付け始めたよ」
そう言われると、私も作業の方へ行かざるを得ません。
すると店主は、
「いいよ〜」「いや、手伝います」
というやり取りが生まれ、
結果的に私は“BBQを主催する側”の立場に入っていきました。
この出来事によって、店主は私を「手伝ってくれる良い子」と感じてくれたと思います。
ここで伝えたいのは、同じ場にいても、
男性と女性でその場の“向き”の捉え方が違うということです。
●招待された男性常連客
男性常連客にとって、会社でよく行く飲食店主催のBBQは、
• 一緒に参加しているのは同僚
• 店主も仕事で関わる相手
ということから、表向きの場=礼節をわきまえるべき場として捉えられます。
男性たちにとっては“表向きの場での気遣い”であり、
だからこそ「手伝ったら?」と声かけが生まれたでしょう。
●女性店主と女性アルバイト
一方で、店主とアルバイトの関係は、
• バイト代が出ていないので、店主はアルバイトに強制力はない
→「楽しんでね」という気遣い
• 主従関係と表向きの人間関係の場
→対応には繊細さが必要で、その対応によって今後の関係に影響
女性同士の関係性では、
表向きの場での礼節(雰囲気を壊さない)と、裏向きの場(本心)でのバランスをとることがとても重要です。
そして裏向きの場で相手との距離感を測るのです。
あの時のことを今になって深堀して考えると、
この出来事は男女の捉え方の傾向が表れているように感じました。
■環境のとらえ方のズレ
前述したように、
“楽しむ”“不快にさせない”という行動そのものが、
実は別のズレを生み出すことがあります。
女性は表向きの環境では、
• 雰囲気を壊さない
• 周囲の空気を読む
という行動をとるように思います。
その中で、 裏向きの環境を一緒に過ごしてくれる人を無意識に探しているように思います。
しかし女性が感じる「裏向きの環境」は、男性にはほとんど見えません。
敏感な男性がそれに気づく場合がありますが、
違和感として捉えて距離を取ります。
私はそれが男性の適切な行動だと思っています。
この”裏向きの環境の中の本心“と、
男性側のヒーロー願望(ナンバーワン)、
女性側のお姫様願望(オンリーワン)
が複雑に絡み合うとハラスメントに発展する可能性があると感じています。
次回はこの複雑な人間の言動が生むハラスメントを書こうと思います。