スマホを開けば、「月収〇〇万円」「不労所得」「コピペで爆稼ぎ」といった言葉がタイムラインを埋め尽くしている。
ボタン一つで大金が稼げる。効率よく裏技で出し抜く。
そういう情報を見るたび、冷めた目をしつつも、心のどこかがざわつく瞬間が全くないと言えば嘘になる。
「これでいいのか?」
今回お届けするのは、誰かに説教をしたいわけでも、綺麗ごとを並べたいわけでもない。
情報に流されそうになる自分を、現実の足場に戻すための「再確認」だ。
1. AI時代だからこそ、「三方良し」のバランスは簡単に崩れる
商売の基本には、近江商人の「三方良し」がある。
「売り手良し、買い手良し、世間良し」。
だが、AIや自動化ツールが全盛期を迎えた今、このバランスを保つのが恐ろしく簡単であり、同時に難しくなった。
売り手(自分)ばかりが得をする罠
AIを使って中身の薄いコンテンツや情報発信を無限に量産し、自分のマネタイズだけに走ることは可能だ。だが、そんなもので得た信用は砂上の楼閣のように崩れていく。
買い手(顧客)を無視する罠
目の前の課題解決よりも、トレンドのテクニックや誇大広告でその場のお金を取る。そんな手法に走れば、残るのは不信感と疲弊だけだ。
世間(社会・市場)を無視する罠
自分とクライアントの利益だけが回れば、市場のルールを歪めてもいいのか。そんな短絡的な思考は、長い目で見れば自分に跳ね返ってくる。
2. 平日の入札、土日の現場。そこで実感する現実の歯車
日々の営みは、デスクの上だけで完結するわけじゃない。
平日は官公庁の入札や泥臭い実務と向き合い、AIや自作ツールで業務をハックする。そして土日には、現場に出て生身の商売に触れている。
ただし、ただ闇雲に汗をかけばいいわけじゃない。
どの市場や手段を選ぶかという「判断」を間違えれば、いくら手を動かしても空回りするだけだ。何を選択するかという戦略と、目の前の実務の泥臭さ。その両方を噛み合わせる必要がある。
ここで実感している「三方良し」の正体は、次のようなものだ。
売り手良し(自分): 公告の読み込みや書類作成といった平日の入札実務をAIや自作ツールで効率化し、適正な利益を上げる。
買い手良し(発注側・官公庁): 必要な物品やサービスを納期通り確実かつ適正に納品し、調達担当者の手間やリスクを解消する。
世間良し(社会): 公的調達の現場において、滞りなく真っ当にモノを回し、市場の循環の一部として機能する。
派手なバズや一攫千金を狙うことよりも、この3つの歯車が確実に噛み合っている状態を作ること。そこにしか、ビジネスの安定はない。
3. 華やかなSNSや「一撃の稼ぎ方」への違和感
世の中の「華やかな稼ぎ方」の多くは、誰かの不安を煽り、一時的な熱狂をドル箱に変える構造をしている。
だが、リアルな現場や日々の実務に向き合っていると痛感するが、画面上の数字は現実の商売の前では何の役にも立たない。
アルゴリズムの機嫌一つで消え去る砂の城にしがみつくより、目の前の実務を片付け、確かな手ざわりのある商売を重ねる方がよっぽど堅実だ。
一発逆転なんて狙わなくていい。
地道な実務の積み重ねのほうが、ビジネスにおいては圧倒的に強い。
4. 最後に
自分の足で立ち、何を選択するかを見極め、平日の仕組みと現場の感覚を往復しながら、関わる人間全員が少しずつ得をする歯車を回し続けろ。
派手さはいらない。今日も明日も、淡々と目の前の仕事を回していこう。